◇おたふく風邪、副作用訴訟で任意接種に 周期的流行、今も 「どうして、いつの間にこんなに差ができてしまったのか」。95~08年に米国の複数の医療機関で医師として働いた斎藤昭彦・新潟大教授が、帰国してまず感じたのは、先進国に比べ「日本のワクチン接種があまりにも遅れている」ことだった。 米国では現在、B型肝炎、おたふく風邪、水痘(水ぼうそう)など13の疾患について国の責任でワクチン接種を実施し、基本的に無料だ。「米国では病院でかかる医療費が高いという事情もあり、ワクチンで防げる病気は予防接種で減らそうという意識が高い」と斎藤さん。90年代から次々にワクチン接種が増え、所定の接種を受けないと入学を拒否される場合もある。 一方、日本のワクチン接種は、国が勧奨し公費で負担する「定期接種」と、希望者が自己負担で受ける「任意接種」に大別され、「定期接種」はジフテリア、麻疹(はしか)、日本脳炎など8疾患に