集中豪雨で海に流された牛が、6日ぶりに奇跡の生還を果たしたことが分かった。9月25~26日の鹿児島県奄美大島の大雨で、龍郷町(たつごうちょう)大勝(おおがち)の久野(きゅうの)ノリ代さんが飼育する5歳の黒毛和牛が、直線距離で約10キロ離れた海岸で1日に発見された。翌2日に町役場の職員6人が一緒に泳ぎ、海中を引っ張られて、道路がある港まで戻った。繁殖用母牛の生命力の強さに、関係者は驚いた様子だった。 久野さんが飼育する5歳の母牛「ききょう」は1日午後4時ごろ、小湊漁港近くの砂浜にいるところを発見された。長いサーフボードに立って乗るパドルボードを楽しんでいたJAあまみ住用(すみよう)支所の桐原博樹さん(39)が、途中で休憩するため、たまたま寄った砂浜で牛を見つけた。「やせている印象でしたけど、草を食べていたので、大丈夫だと思いました。周囲が山に囲まれていて、車が近づけないので、翌日に助けること