呼吸を助けるために気管内挿管するが、この患者が新型コロナウイルスに感染していれば、医師も周囲の医療従事者も感染してしまう。着脱の手間がかかる防護服を着ていては、治療の効率が悪くなる。でも、感染してしまったら、医師や看護師という貴重な戦力を失うことになり、やがて病院は機能不全に陥る。救急現場は、そういったコロナウイルス対応でパニックに陥り、疲弊しきっているという声が、尾崎会長の元にも届いている 尾崎会長自身、午前中は東京都東久留米市にある内科循環器科クリニックで診療を続けているが、「緊張の連続だ」と打ち明ける。インフルエンザなら症状からほぼ断言できるが、新型コロナウイルスは見分けがつかない。気づいたら待合室で感染の疑いがある患者がずっと順番を待っていたこともある。もし自分の診療所から感染者が出れば、さらに感染を広めてしまうし、診療所も2週間は閉めざるをえない。自分も感染のリスクを背負うことに