いま「近代」を再考する 「社会」が生成していくプロセスの「厚い記述」の実践 対談:遠藤知巳×成田龍一 ■遠藤知巳著『情念・感情・顔――「コミュニケーション」のメタヒストリー』(以文社)が上梓された。大変な労作である。本書をめぐり、著者の遠藤氏と、歴史学者の成田龍一氏に対談していただいた。(対談日・3月15日、東京・神田神保町にて。須藤巧・本紙編集) ■「超越論的視点の封印」が際立つ 成田 『情念・感情・顔』は一つの事件、出来事のような著作です。長い射程と内容の壮大さをもち、方法的な工夫が凝らされていますが、何よりも「近代」についての詳細な記述がなされている点に惹かれます。別言すれば「社会」が生成していくプロセスの「厚い記述」の実践です。「近代」とはいかなるものか、これまでたくさんの議論がなされてきました。とくに、冷戦体制崩壊後の一九九〇年代以降は、従来の「戦後」と結びついた近代把握に対し、
![対談:遠藤知巳×成田龍一「いま「近代」を再考する──「社会」が生成していくプロセスの「厚い記述」の実践」 - 紙面掲載した書評をご紹介「図書新聞」の書評コーナー│オンライン書](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/f7b84e6cf6df5806bae41f5f1290c0a0cfd29b3e/height=288;version=1;width=512/http%3A%2F%2Fwww1.e-hon.ne.jp%2Fimages%2Fsyoseki%2Fac_k%2F40%2F33399540.jpg)