10月18 科学社会学と反科学主義 カテゴリ:福島原発事故関連文化論 福島原発事故を契機として反科学主義的傾向が強まっていることについてはこれまで何度か議論した(例えば、この記事)。また、平川秀幸氏(大阪大学コミュニケーションデザイン・センター准教授)を含む一部の科学社会学者に見られる反科学主義的傾向についても批判した。福島原発事故に伴う日本国土の放射能汚染問題は極めて重大な問題であるが、いわゆる風評被害が問題をさらに難しくしている。放射能汚染問題に正しく対処する上で反科学主義的思想を持った人達による煽動が大きな障害となりつつある現状を考えると、反科学主義に対する理論的後ろ盾を提供している一部の科学社会学者の思想の根底にあるものを抉り出し、それを批判することは喫緊の課題と言えよう。 科学社会学は社会における科学の有り様を研究する分野としてのメタ科学である。科学的法則は価値中立的であるので、