クローンをたくさんつくって仕事に使おうとしたが、御存じのとうり、コピー時に劣化が起こるしなによりも、再教育に時間がかかる。短期間にエッセンスだけを詰め込むということも可能であろうがそれでは、オリジナルが備えていた高度な能力を発揮できない。劣化していてさらに物覚えが悪いものができると本当に処分に困る。それならわざわざクローンしなくても普通の人間を雇えばいい。 その問題を解決するために蝉を使うことにした。蝉の場合、羽化後再教育の手間はいらない。しかし彼らは見た目より喧嘩早く扱いに注意しないとパンチが飛んでくる。前方からではなく後方から近付き、羽のすぐ前のあたりをつかむこと。彼らが自分で足を話すのを待ってから、持ち上げること。ぬけがらがポケットの中に自発的に潜り込む場合があって、夏向けの軽い麻のスーツだとちくちくして痛い点はまだ未解決の問題だ。 っていう画期的な夢を見る。