タイトル以上のことはなにもありませんが、要するにこっそり読めるということです。 私はよく思うのですが、トルストイの全集とか、フランス書院の全集というものほど、Kindle向きなものを他に知りません。 まず、本という体裁がまるで無意味なほど、コンテンツ自体の比重が大きい。表紙なんかなくてもいいほど。 次に、外にそれがあったところで他人と共有する気がしない。Hコンテンツというのは、たとえ男性同士であっても、およそ他人の趣味が理解しがたいもので、「なぜこんなものを?」と自分のことを棚に上げがちです。 トルストイの本も同じようなところがあります。 だがリディヤ夫人は、たとえ自分に関係がなくても何にでも興味を持つくせに、自分の興味を持ったことを人が話してもけっして聞こうとしないという気質だった。 アンナ・カレーニナ(上) (新潮文庫) 作者: トルストイ,木村浩 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: