東日本大震災で被災し、昨年4月に全線で運転を再開した岩手県の三陸鉄道南リアス線で1日、臨時列車「元旦初日の出号」が15年ぶりに運行された。 乗客48人を乗せ、午前6時15分に大船渡市の盛(さかり)駅を出発。釜石市の唐丹(とうに)駅までの27キロを往復した。往路(下り)の途中では、日の出の時刻に合わせ、太平洋を見渡せる線路上で約20分間停車。乗客は窓を開けて初日の出を待ち構えたが、厚い雲に阻まれた。その後、天気は次第に回復し、復路(上り)は初日の出の陽光を浴びながら走行。予定にはなかったが、往路と同じ場所に約3分間停車した。 盛岡市から友人と乗車した会社員の大林明子さん(21)は「初めて地平線から昇る太陽を見て、『海面に反射した朝日ってこんなにまぶしいんだ』と感動した。復興を照らし出す光みたいだった」と笑顔を見せた。 乗客は、車内では甘酒やおせち弁当を楽しみ、折り返しの唐丹駅では接客担当とし