【ローマ=青木佐知子】ギリシャのチプラス首相は8日、議会で初の施政方針演説を行った。欧州連合(EU)などによるギリシャ支援は「失敗だった」と非難したうえ、2月末に期限切れを迎える現行の支援制度について「失敗の延長を頼みはしない」と述べ、EUとの対決姿勢を強調した。 チプラス氏は演説で、新たな支援策について話し合う間、資金不足をまかなうための「つなぎ措置」を欧州各国に求めると表明した。ギリシャのバルファキス財務相が11日、ユーロ圏財務相の臨時会合で、詳細を明らかにする見込みだ。 チプラス氏はこのほか、最低賃金の月額を現在の約580ユーロ(約7万8000円)から2016年までに約750ユーロ(約10万円)に引き上げると表明。緊縮策の一環で導入された不動産税を年内に廃止し、高額不動産に限った課税制度を導入するとした。