内閣府原子力委員会の近藤駿介委員長は26日、東京電力が公表した福島第一原子力発電所事故に関する社内事故調査の最終報告書について、「国民に(安全に対する)思想や考え方を変えたと説明しないと、信頼を求めるのは難しい。そういう所に迫っていない」と苦言を呈した。 同日の原子力委定例会で、東電が報告書の概要を説明。近藤委員長は分析が不十分な点として、緊急時に通常の手順で1号機の非常用復水器を操作したことを挙げ、「緊急時にとる手順ではない。考えられない。どういう教育なのか」と批判。 操作手順書などは、絶えず新情報を得て改善すべきだとした上で、東電については「詰めが甘く、継続的な改善が不足していた。米国に事務所を構えて情報を取る能力を持っていたのに、新しい思想の潮流をとらえられなかったのか」と述べた。