ブックマーク / www.newsweekjapan.jp (65)

  • 政治家の「外遊中の失言」はどうして「マズイ」のか?

    少し以前の話になりますが、猪瀬直樹東京都知事の「イスラム世界はケンカばかり」という失言には驚かされました。同時に、先週に飛び出した麻生太郎副総理兼財務相の「中国とスムーズに行った歴史はない」という発言も、同じように「行き当たりばったり」と言わざるを得ません。 麻生発言に関しては、もしかしたら「中国の反応を試す」という外交上の目的があった可能性も数パーセントあるのかもしれませんが、仮にそうであっても「1500年間の日中関係がずっとダメだった」というのは、トンデモ発言であることには変わりはありません。 それにしても、どうして政治家が「外遊」するとこの種の失言が起きてしまうのでしょう? またどうして、この種の発言は「マズイ」のでしょう? どうしてマズイのかということでは、それぞれに理由は明らかです。猪瀬発言に関しては後日に安倍首相の「フォロー」が必要になるほどに「東京五輪招致」における対外的イメ

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    unamu_s 2013/05/08
    猪瀬発言はともかく麻生発言は前後の文脈がわからないと判断がむずかしいように思うのだけれど。
  • 日米関係まで揺らぐ危険、靖国問題に落とし所はあるのか?

    靖国神社の春季例大祭にあたり、安倍内閣の閣僚数名とともに、「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」の168名が集団参拝したというニュースは、アメリカの新聞でも大きく報じられています。ニューヨーク・タイムズ、ウォールストリート・ジャーナルなど軒並み扱いが大きく、記事のトーンは批判的です。 特に、昨今の北朝鮮情勢を受けてケリー国務長官が東アジア各国を歴訪し、各国の利害を調整した努力の直後だけに、「危機の中での周辺国の結束を乱す」行為に対して米側が「フラストレーション」を露わにしているという表現は深刻に受け止める必要があると思います。 一方で、中国からは外交ルートを通じた抗議が来ているようですし、韓国からは朴槿恵大統領人から「日の右傾化に反対」という発言が出ています。これに対して安倍首相は国会答弁の中で「脅しに屈しない」という挑戦的な表現をしており、全体の状況は極めて深刻であると思います。

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    unamu_s 2013/04/26
    日米関係への影響を懸念するのは同意だし、後半の提案にも賛同できる部分が多々あるけれど、一宗教法人に強要することはできない。するとその理想を実現する別の場所を国が整備せざるを得ないのかも知れない。
  • 「我慢」と「頑張る」はスポーツや教育に必要か

    今週のコラムニスト:スティーブン・ウォルシュ [3月26日号掲載] 小学生のわが娘は、漢字の宿題をあまりやりたがらない。「子供がやりたがらないことをやらせるにはどんな方法が一番か」という、あらゆる親と教師が直面する根的な問題と、私たち夫婦も格闘している。そんなときは、この国の多くの忙しい親たちと同じように「頑張りなさい」「我慢しなさい」という2つの決まり文句に頼れば楽なのかもしれない。 だが、日ではスポーツや教育に絡んでよく耳にする「頑張る」や「我慢」といった概念に、欧州の人間はやや違和感を覚えるものだ。また欧州の人間は、そうした考え方を子供に強いることと、女子柔道コーチの体罰問題や大阪市立桜宮高校のバスケットボール部主将の自殺問題には因果関係があるように考える。 というのもフロイトや精神分析の影響もあって、欧州の人々は力ずくで子供に何かをやらせたり、我慢させることは不必要どころか、健

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    unamu_s 2013/04/17
    日本の経営者は「グローバルな世界の競争に勝つためには甘えは禁物」みたいなことを言いがちだけれど、外国人がこんな感じなのが何ともフシギ。まぁ「勉強しなさい」くらいは言っちゃいそうだけどね。
  • 反体制派が疑うスー・チーの中立性

    かつては自身も反体制派だったミャンマー(ビルマ)のアウン・サン・スー・チー連邦議員。北部カチン州で1年半以上前から続いている政府軍と少数民族の反政府武装勢力の紛争の仲介を申し出たが、武装勢力側はその申し出を拒否している。 スー・チーとミャンマーの政治情勢について詳しく知らない者にとっては、なんとも不可解に思える事態だろう。彼女は国内の反体制派を代弁する存在ではなかったのか? 抑圧されている人々にとって、彼女は恒久的な平和を可能にする一番の希望ではなかったのか? 問題の紛争は、自治拡大を求めるゲリラ組織のカチン独立軍(KIA)が、政府軍を相手に繰り広げている。スー・チーに対しては、和平協議に「不干渉」の立場を取っていると批判の声が上がっていた。 こうした批判を受けて、スー・チーは最近、和平仲介の用意があると発言した。「私が和平協議に参加していないことに対して、一部から批判の声が上がっている。

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    unamu_s 2013/04/16
    スー・チーさんの実務的な力量が未知数。あるいは持っていない可能性もあると思う。その場合「お飾り」的ポジションがミャンマー政府とスー・チーさん双方に得があるだろうという推測も成り立ちそう。
  • 携帯電話が奪った「いい店探し」の楽しみ

    今週のコラムニスト:マイケル・プロンコ [3月12日号掲載] 数週間前、吉祥寺のスタンドバーでくつろいでいたとき、通りで身を寄せ合う2人の若い女性に気付いた。彼女たちは携帯電話の画面を見て、話し合い、路地を眺め、また携帯の画面に戻り、最後にうなずき合って、ようやく小さな飲み屋の並ぶハーモニカ横丁に入ってきた。 思わずこう叫びたくなった。「早くしろ! 何を怖がっているんだ?」 東京では、まず携帯電話で情報をチェックしてからでないと、どこにも行けない人がたくさんいる。 東京人は冒険心を失ったのだろうか。人々は街中の通りで立ち止まり、行く先を決める前に携帯電話で調べる。私の学生もインターネットで確認するまで喫茶店にすら入らない。 そうすることで選択肢が多過ぎる東京の生活が楽になるのだろう。ネットに載っている店の写真と紹介文を見て、安心するのだと思う。でもラーメンべる前に小さな画像で確認してお

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    unamu_s 2013/03/18
    自分はたいていネットで下調べしてから行くんだけど、いいたいことはわかる。
  • 体罰禁止論議と国旗国歌論議の重なる部分

    大阪の桜宮高校バスケットボール部で主将が自殺した問題は、自殺原因と推測される監督の体罰の背景に「体罰容認カルチャー」があるということから、大阪市の橋下市長は「体育科の入試中止」を支持、これに対する賛否両論が起きているようです。 この問題に関する私の立場は、橋下市長への全面支持です。自身の政治的資産を消費する覚悟で、「人が1人亡くなった」ということの重さを若者たちに問い続ける姿勢は、現代の日に欠けてしまったもの、そして最も再建しなくてはならないものの1つを感じるからです。 また、大阪市の教育の問題には、様々な問題から学校現場の秩序、つまり学級運営や生徒指導がうまく行かないという状況があり、それが体罰容認カルチャーの背景にあったとして、それに対しても「ノー」を突きつけたという意味合いも大きいと思います。 こうした問題提起は貴重です。とりわけ、体罰を止めて言葉で説得してゆく、そして常に結果を気

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    unamu_s 2013/03/12
    ちょっと古い記事だけどブクマ。展開がやや強引な気もするが、問題提起としては面白い。
  • 被災地の時間感覚

    東日大震災から2年という時間が経ちました。今日一日の各メディアは、震災2周年の報道が色濃く続く中、日ではこれから被災のあった時刻に犠牲者の追悼行事が行われるのだと思います。問題は、そのように被災地と全国が一体となる機会が、徐々に少なくなって行くことです。全国レベルで考えると、通常は「日常の時間」が流れているわけですが、この日は「震災2周年」という「非日常の時間」になるわけです。 一方で、被災地では今でも日常の時間は回復していません。住居は様々な意味で仮住まいの人が多く、産業も、従って雇用も元通りにはなっていません。何もかもが異常事態であり、そのような「非日常の時間」が今も続いているのです。被災地が被災地であるのは、そのように「非日常」が続いているからであり、仮に当の意味で「日常」が戻って来た時には、被災地は被災地ではなくなるのでしょう。 私の住むニュージャージー州におけるハリケーン「

  • 北方四島「面積の二等分案」は検討可能なのか?

    ここへ来て、日ロシアの外交が活発になってきているようです。森元首相が特使としてプーチン大統領との会談まで行われ、もしかしたら北方四島の帰属問題に関して大きな進展もある、そんな展開になって来ました。ゴールデンウィークの前後には、安倍首相の訪ロという可能性、更にはそこでプーチン大統領との何らかの「合意」もという報道も見られる以上、相当に交渉は進んでいるのかもしれません。 報道によれば、プーチン大統領は「双方が受け入れられる均等な案」を主張しているようです。それが何を意味するかということでは、今のところ2つの説があるようです。 4島のうちの「2島」すなわち、1950年代の日ソ国交回復以来言われている「2島先行返還論」のように、色丹島と歯舞諸島の「2島」という話ではありません。面積比で言えば、色丹と歯舞では、「4島」の面積の5%にも満たないわけで、「均等な案」にはならないからです。 恐らく、現

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    unamu_s 2013/03/06
    ロシアがどこまで譲歩するのか(できるのか)が焦点だと思う。
  • 副都心線・東横線の直通運転、不安感中心の報道に対して一言 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    (*関東ローカルの話題ですが、少々気になる問題ですのでお許し下さい) 3月16日(土)の始発電車からいよいよ、東京メトロの副都心線と東急電鉄の東横線が直通運転を開始します。これによって、既に副都心線と直通運転を行なっていた東武東上線と西武新宿線の車両が、東横線に直通することになります。また、みなとみらい線の「元町・中華街」から東横線・副都心線経由で西武池袋線の「所沢、小手指、飯能」や、東武東上線の「川越市、森林公園」行きの電車が終日走ることになります。 このニュースに関しては、直通運転の開始を直前に控えたここ数週間、移行に伴う不安に関する報道を何件か目にしています。不安というのは次の2点に集約されるようです。 1つ目は、渋谷での東横線(現在は地上2階)から山手線(地上2階)、東京メトロ銀座線(地上3階)への乗り換えが、東横線が地下5階の副都心線の駅に「もぐる」ことで混乱が生じる、具体的には

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    unamu_s 2013/02/28
    海外在住なのに詳しいなー。東上線直通開始と日比谷線直通廃止を知って東横線沿線の人は広尾や六本木より渋谷や埼玉に行きたいんだなーと思ったり。
  • 安倍首相訪米、「ジャパン・イズ・バック」の違和感

    日米首脳会談は、TPP(環太平洋経済連携協定)に関して落とし所に行けたこと、会見省略という奇策により、安倍首相の「タカ派的性格への米メディアの追求シーン」を回避できたことなどにより、実務的にプラス・マイナスの採点をするならば、今回は成功であったと言えるでしょう。 ただ、折角の首脳会談であるにも関わらず、アメリカの一般のメディアを通じたアメリカ世論へのメッセージ発信ということでは、ほとんど成果がありませんでした。こうしたことが繰り返されることで、アメリカ社会における「日米同盟」の意味合いが、「専門家や事情通にしか関係のない秘められた存在」ということになって行くのであれば、それは両国に取って良いことではないと私は懸念します。 同じように、これは少々重要な問題ですが、中国に対するメッセージ発信の問題です。尖閣や東シナ海、南シナ海をめぐる問題に関するメッセージは、安倍、オバマ両首脳ともに適正な配慮

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    unamu_s 2013/02/26
    細かい指摘だなとは思うんだけれど、何となく安倍さんに不安みたいなものを感じるのはわかる気がする。これからそれを払拭してくれればいいんだけどね。
  • 日本の部活に異議あり! スポーツ「偏愛」の弊害

    今週のコラムニスト:クォン・ヨンソク [2月19日号掲載] スポーツ体罰問題が世間を騒がせている。問題が表面化したことはいいが、「体罰は悪い」の一点張りで、いつもながら根的な問題には触れられていない。 問題の背景には、日独特の過剰な部活文化と、スポーツ選手が英雄視され商品化される「スポーテインメント」の存在、それらを支える日人の「スポーツ依存症」(「スポーツ偏愛症」)がある。 僕は日の部活文化が羨ましかった。目標に向かって仲間が1つになる、汗と涙にまみれた歓喜の青春物語に憧れていた。韓国の青春に部活という2文字はない。進学希望者はひたすら勉強だけで、運動部に所属するのは「選手」を目指す学生だけだ。 だけど日の部活文化にも問題はあった。僕は新宿の中学校のサッカー部員だったが、部員の大半が不良という別世界だった。サッカーが好きで入部したのに、練習はひたすらランニングとうさぎ跳びと玉拾

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    unamu_s 2013/02/25
    「皆が選手になれるはずがないのに、部活はあまりに本格的過ぎる」→同意。いつ勉強したらいいの?と聞きたくなる。
  • 大みそかの長寿番組が映し出す日本の両極

    今週のコラムニスト:マイケル・プロンコ [2月5日号掲載] 大みそかの晩になると、毎年「しまった」と思う。商店もレストランも早じまいするのを、すっかり忘れているからだ。大みそかの東京は、SF映画で大災害に襲われた町のように人っ子一人いなくなる。となると行き場は2つ。神社で震えながら初詣の列に並ぶか、暖房の効いた部屋でぬくぬくとテレビの前に座るかだ。 私が日で過ごした最初の年の大みそかは、衝撃体験だった。どうして店が全部閉まってるんだろう。みんなどこでパーティーをしてるんだろう。新年の花火の音を聞いて銀座を歩きながら、私は首をひねった。日の人々が初詣の参拝先かテレビの前に集まっていることを、そのときの私は知らなかった。 昨年の大みそかは家で事をした。家族が初詣に行こうとしないので、テレビの前に集まりNHKにチャンネルを合わせた。大みそかの特別番組を見たことがなかったわけではない。だがい

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    unamu_s 2013/02/12
    「ゆく年くる年」も普通に演出が入っているとは思うけどね。でも「ゆく年くる年」の年が明けるまでの静かな雰囲気は好き。
  • 従軍慰安婦問題、いわゆる「河野談話」の訂正は可能か?

    安倍政権がいわゆる従軍慰安婦問題に関して、「軍の強制連行があった」とする「河野談話」を見直すかもしれないという報道に関しては、韓国だけでなくアメリカの政界やジャーナリズムによる関心も高まっています。 この問題に関する事実関係に関しては、私は池田信夫氏が様々な史料を参照しながら丹念に調査を続けて来た結論、つまり「軍による強制連行はなかった」という立場を取ります。 では、問題になっている河野談話を訂正すればいいと考えるのかというと、こちらはそうは簡単ではないと考えます。この点に関しては、日の政界や世論には根的な誤解があり、注意深い議論をしないと、日の国益を大きく損なう危険があるからです。 誤解というのは、「軍による強制連行はなかった」という訂正に成功したとしても、全く「日の名誉回復にはならない」ということです。一言で言えば「強制連行はしなかったが、管理売春目的の人身売買は行なっていた」

  • 右派政権の方が国際協調が進むというパラドックス

    26日に発足する安倍政権のイデオロギーについては、「戦後レジームからの脱却」であるとか「改憲」といった右派的なものがあるのは明らかです。今回の総選挙の結果も、そうしたイデオロギーの匂いへの漠然とした承認と我慢というのが一応は前提になっていると言って良いでしょう。 民主党政権に比べるとイデオロギー的に相当に右に寄っている印象の次期安倍政権ですが、それでは、問題になっている中国韓国との関係は、更に日側として強硬になり、対立がエスカレートするのでしょうか? どうも違うようです。 少なくとも、韓国に関しては朴槿恵(パク・クンヘ)次期大統領との「新政権同士」での「関係改善」が模索されるというのは既定路線になってきているようです。懸念された、韓国の新大統領就任式(2月25日)の直前にカレンダー上「竹島の日(2月22日)」が避けて通れないという問題も、今年については、この「竹島の日」の行事をトーンダ

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    unamu_s 2012/12/23
    今年は日中韓で政権が変わったので、新政権での関係修復という図式を三国とも考えているように感じる。
  • 日本の総選挙の結果をどう見るか

    アメリカはコネチカット州の小学校での乱射事件のショックに沈んでおり、日の総選挙のニュースは「囲み記事」であるとか、「画面下のテロップ」という扱いしか受けていません。ですが、とりあえず今回の選挙を「遠くから」見ていた者として、直後の感想をメモしておきたいと思います。 (1)民意は「少々勝たせすぎた」と思っているのではないでしょうか? 大量当選を「権力の白紙委任」などと考えたら失敗します。憲法論議などは、あくまで景気と雇用で実績を上げて信用を獲得してからでないと難しいということを肝に銘じた方が良いと思います。 (2)特に難しいのが原発に対する選択です。再稼働を明言した自民党が圧勝したからと言って、ドンドン再稼働する、その一方で情報公開などで古い体質が出ると世論はソッポを向くと思います。原発だけでなく、一時が万事であり、同じ自民党だからと言って以前の麻生内閣以前の時代のコミュニケーション様式に

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    unamu_s 2012/12/17
    総選挙の分析。
  • 日本メディアに叩かれた加藤嘉一君への2通目の手紙

    今週のコラムニスト:李小牧 〔12月12日号掲載〕 親愛なる加藤嘉一君へ──。 中国でコラムニストとして活動し、「中国で一番有名な日人」とも呼ばれる君に、このコラム上で「手紙」を書いたのは昨年6月。人生の先輩として、また一人の中国人として、君が日人の耳に届かないのをいいことに、中国で日の悪口を言っていると批判しました。 その後、君は私に直接「今後は李さんの貴重な意見を参考にしたい」というメールを送ってくれました。ただ、残念ながら私の苦言は君の心に届かなかったようです。 先日、週刊文春が「『中国で一番有名な日人』の経歴詐称を告発する」という記事を大々的に掲載しました。加藤君が中国メディアで「東大に合格したが、それを蹴ってあえて北京大学に入学した」と語っていたのは周知の事実。この記事は、それが真っ赤な嘘だということを、君の出身高校への取材で暴いています。君をよく知っている私のところにも

  • 日本の対立軸にはどうして「経済合理性+国際協調」という選択肢がないのか?

    今回の衆院選は、多数の政党が登場しています。勿論、乱立だとか混乱だという形容は当たっているのですが、少なくとも選択肢は増えたというメリットはありそうです。ところが、どうしたものか21世紀の現在において、最も重要で現実的だと思われる選択肢が見事に欠落しているのも事実です。 それは「経済合理性と国際協調を同時に重視する」という立場です。 この選択肢がないのです。例えば今回の党首討論でもニコニコ動画では10、記者クラブ主催のものでは11も政党があるのに、見事なまでにない。これは当に困ります。例を挙げればキリがありませんが、 ----安倍自民党は軍事外交では親米で、ビジネスにはフレンドリーなのかもしれませんが、靖国参拝とか国防軍といった右派イデオロギーがどうしてもセット定で付いてくるわけです。これでは、自由世界での友人を作るといっても大きな限界があります。 ----野田民主党は、その点ではやや

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    unamu_s 2012/12/04
    なるほど。
  • 習近平の新時代へ

    とうとう、胡錦濤の時代が終わり、習近平の時代が始まった。5年前の中国共産党の党大会で次期指導者として指導部メンバー入りして以来、その動向が注目され、どのような時代が来るのか、世界中のメディアの憶測を呼んできた習近平。世界の主だったメディアは今回の党大会に先駆けて10月頃から次期指導部を占う予測記事を集中させてきた。 今回習が選出されたのは中国共産党総書記という役職で、完全に胡錦濤の職を引き継ぐのは来年3月に開かれる全国人民代表大会で国家主席に選出されてからである。だが実際にはすでに胡錦濤の陰は一挙に薄くなり、習の動向に人々の目は釘付けだ。前回のこの欄で触れた某ネットユーザーの予測通り、胡は軍の指導権を持つ党軍事委員会トップの職も習に明け渡して「裸退」したため、それも仕方ないが。 実のところその習がどんな人物なのか、まだそれほどよく知られていない。老共産党幹部の子弟「太子党」であることは客観

  • 尖閣問題にも動じない国際都市・東京の日常

    今週のコラムニスト:ジェームス・ファーラー 〔10月17日号掲載〕 9月のある日曜日、と私は娘を初めて都内の中国語学校に連れて行った。この週末のクラスに集まる800人の生徒はほぼ全員、日の公立校に通っており、週一回の中国語の授業は習い事の域を出ない。大半は日人と中国人を両親に持ち、残りは長年、日で暮らしている中国人夫婦の子供だ。中国語の日常会話だけでも身に付けてほしいと願う親の期待をよそに、休み時間の彼らは日語のおしゃべりに忙しい。 付き添いの親の中には、尖閣問題をめぐって高まる緊張への不安を口にする人もいた。だが、話題の中心はお決まりの学習塾や受験の話だった。 多様な文化が入り乱れる国際都市では当たり前の風景だ。私の「故郷」である東京、シカゴ、上海のようなグローバル都市は、エール大学の社会学者イライジャ・アンダーソンの言う「国際人の天蓋」に覆われている。いわば、目に見えない寛容

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    unamu_s 2012/11/12
    「コスモポリタン」を自称するなら世界中どこに行っても「ガイジン」と呼ばれることを覚悟すべきな気もするけれど。「コスモポリタン」なら他のひとより物事がよく見えるってこともないと思うし。
  • 国内事情を優先する観光庁のピンボケ具合

    今週のコラムニスト:レジス・アルノー 〔10月31日号掲載〕 ニューズウィークに寄稿すると、実に大きな反響がある。昨年8月、私はこのコラムで人気グループ「嵐」を起用した観光庁のキャンペーンを批判した(「嵐がニャーと鳴く国に外国人は来たがらない」)。すると今年の夏、何と観光庁を統括する国土交通省からお呼びが掛かり、次のキャンペーンへの意見を求められた。記者も同席する公の会合だったから、ここで書いても差し支えないだろう。 国全体が鎖国状態にあるような状況下で日に来てくださいと海外に宣伝するのだから、確かに観光庁もツライ立場にある。私が参加した会合の数日前には当の国交省の羽田雄一郎大臣が靖国神社を参拝し、誘致したいはずの中国韓国の人々を怒らせた。観光業が振るわない責任を、観光庁だけに押し付けるのは理不尽だろう。 とはいえ、日を観光立国にできるような名案は今回の会合でも出なかった。広告代理店

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    unamu_s 2012/11/12
    「『シンプルな楽しみ。ユニークな宝』『ユニークな宝。シンプルな楽しみ』という具合だ。観光庁はこの見事なアイデアに、どれだけの金を支払ったのだろう。」→皮肉がきいてるなぁ。