2015年に中国各地で一斉に拘束された人権派弁護士らの家族に対し、当局の嫌がらせが相次いでいる。体制に逆らったとみなせばその肉親にも連帯責任を負わせる手法が、「依法治国」(法に基づく統治)を訴える習近平(シーチンピン)指導部の下で続いている。 15年7月以降、弁護士や活動家320人以上が連行され取り調べを受けた事件で、ともに弁護士で最初に拘束された包竜軍さん(47)と妻の王宇さん(46)がこのほど、取材に応じた。昨夏の保釈後は、息子の将来に影響しないよう沈黙を守ってきた。 だが、先月13日、息子の包卓軒さん(18)が天津空港から出国しようとし、公安当局に「国家の安全に危害を与える恐れがある」と阻止された。旅券が使えないよう、顔写真のページの両角を切り落とされた。 行き先は日本だった。オーストラリアの大学に進学できる見通しがたち、その前に日本で一人旅をしようとした。卓軒さんは幼い頃から日本の