2021年12月、軽度の知的障害があった20代女性が千葉県内のグループホームの2階トイレで男児を出産し、直後に窓から落として殺したとして、殺人罪に問われた事件があった。 【写真】知的障害ある女性、妊娠に誰も気づかず 裁判を傍聴した記者が感じた壁 事件は防げなかったのか。知的障害者をどう裁くのか。大学時代、地域で一人暮らしをする重度知的障害者の介護をしていた経験から、関心を持って裁判を聞いた。 女性は、知的障害のある男性と交際し、互いに性的知識に乏しいまま避妊せず性行為をしていた。女性は予期せぬ妊娠を誰にも打ち明けられず、周囲も気づけなかった。 検察側の供述調書では、女性は「性行為で赤ちゃんができることは知っていました」「赤ちゃんを落とすと死んじゃうとわかっていました」と語ったとされる。 裁判当初、起訴内容を「間違っていないです」と認めていた女性への印象が変わったのは、被告人質問が始まってか