福島第一原発事故の被災者への賠償で、国が示した基準「中間指針」を超える額の支払いを東京電力に命じた3つの高裁判決が確定した。「東電は指針が最高基準と主張し続けたが、それでは少ないことがはっきりした」。福島原発避難者訴訟弁護団の馬奈木(まなぎ)厳太郎(いずたろう)弁護士は4日、東京都内で会見を開き、救済への消極的姿勢の象徴となった「指針」の見直しを訴えた。 東電による賠償は、国の原子力損害賠償紛争審査会が定めた中間指針が基準だ。被災者への支払いを迅速にするため、指針の対象外の損害は「個別具体的な事情に応じ損害と認められうる」とされている。 3訴訟はいずれも指針を超える賠償を、原告のそれぞれの事情を踏まえて認定。さらに福島訴訟では、確定した仙台高裁判決が旧居住制限区域の住民に300万円、帰還困難区域に150万円などと、区域ごとに一律で賠償の上乗せをした。 馬奈木弁護士は「原告になっていない人も