第十九回 和装 III 2007年9月19日 カルチャー コメント: トラックバック (0) (白田秀彰の「網言録」第十八回より続く) さて、上記のような経緯で和装で生活するようになって、すぐに直面したのは、裾さばきと袖さばきの問題だった。以前に「立居振舞」で述べたように、私の歩く様子は、かなり行進風であり、大げさな手足の振りを特徴としている。それゆえ、すこし歩くとすぐに裾や前がはだけた。日常生活においても、手や顔を洗おうとすれば、袖を濡らし、食事中には袖が皿に触れた。 そこで、裾が はだけないように歩く工夫をすると... おお!見よ。それは、体を捻らず、足をあまり上げず、やや内股気味に、小さな歩幅で歩く「若だんな風歩行」になったではないか。以前に「立居振舞」で指摘された日本古来の操身法とは、「和服」というデザインが我々に自然に強制する振舞であったことがわかる。 食事の際には、皿をとるにも