現代物理学の量子力学とは似ても似つかない疑似科学としての"量子力学"の記事が、ネット上では増えています。実際には物理学の量子力学は「引き寄せの法則」などとは無縁です。量子力学の「観測問題」に関わるなんらかの機構に基づき、意識によって対象が変わるとか、量子もつれは非局所性を持ち、引き寄せの法則の源であるという言説も、科学的には全く間違っています。 エネルギー保存則や熱力学第2法則と同様に、この世界では人間は際限なく何でもできるわけではないことが、量子力学を考えるうえでの大事な出発点です。また重要なのは、量子力学のコペンハーゲン解釈です。これは、意識の問題と科学の問題をきれいに切り分ける、とても切れ味のいいナイフの役目をしています。 まず自分がいて、自分の五感やその先にある様々な機械装置も使って、自分にとっての外部世界に刺激を与えてその応答を収集し、その情報を解析するのが科学です。量子力学で特
