きょうは、身近にいた変態についてみなさんにお知らせしたい。A君は30代前半の未婚男子であるが,以前は朗読プレイを愛好していたという。 「朗読プレイ?」 「ええ、あれのときに女の子に声出して本を読んでもらうんです」 「えーと、それは気持ちいいのかな……?」 「めっちゃいいっすよ。本の内容について新しい発見もありますし」 A君によると、読んでもらう本にもやはり向き不向きがあるという。まず、じぶんがすでに読んだことのある本でないとリラックスできない。初読の本はプレイには負荷がかかりすぎるそうである。そして、なんといってもベストは断章形式の本だという。 「マルクス・アウレリウスの『自省録』なんてサイコーですね」 「『論理哲学論考』は?」 「あー。そのころまだ岩波文庫出てなかったんすよ。ウニベルシタス版はちょっと重くて具合わるいですからね。基本は文庫本か、ちいさめのソフトカバーやないとつらいです」