イランは対話・交渉路線を模索する ―― 最高指導者ハメネイの思想 Who Is Ali Khamenei? ―― The Worldview of Iran's Supreme Leader イランの最高指導者、アヤトラ・ハメネイは聖職者としては、一風変わった過去を持っている。青年期に世俗派の反体制指導者たちと交流し、イスラム革命前に彼らの思想を吸収しているだけでなく、西洋の文学を耽読する文学青年でもあった。レフ・トルストイやミハイル・ショーロホフの作品を絶賛し、バルザックやゼバコの小説を愛読した。なかでもビクトル・ユーゴの『レ・ミゼラブル』が大のお気に入りだった。ムスリム同胞団の思想的指導者サイイド・クトゥブの著作からもっとも大きな影響を受けているとはいえ、ハメネイは、科学と進歩は「西洋文明の真理」であり、イランの民衆にもこの真理を学んで欲しいと考えている。彼はクレージーでも、支離滅裂
「アラブの春」は今どうなっているのか?――「自由の創設」の道のりを辿る 池内恵 イスラーム政治思想史、中東地域研究 国際 #シリア#イエメン#アラブの春#エジプト#リビア#ハンナ・アーレント#多数決型#コンセンサス型 「アラブの春」と呼ばれた、チュニジアとエジプトに始まる、アラブ世界の社会・政治変動が生じてから3年が経とうとしている。リビア、イエメン、シリアと急速に連鎖し、一時はバーレーンを通じて湾岸産油国に及ぼうかと見えた変革の波は弱まり、むしろ逆行しているようにさえ見えるかもしれない。今年7月3日のエジプトのクーデタでは、民衆のデモが、選挙で選ばれた政権の軍人による排除を歓呼して迎えた。シリアでは社会からの異議申し立ては政権による過酷・苛烈な弾圧を招き、国土を焦土化する内戦の淵に沈みこんだ。リビアではカダフィ政権打倒に立ち上がった各地の民兵が、政権崩壊後も武装解除を拒み、国土を割拠した
ロサンゼルス(CNN) 「プリティ・ウーマン」「ファイト・クラブ」など数々のヒット作を生み出したハリウッド映画のプロデューサー、アーノン・ミルチャン氏が、自分は密かにイスラエルの核兵器開発に協力していたと告白した。 ミルチャン氏はイスラエルのテレビ番組に出演し、同国にかつて存在していた諜報機関のために働いていたと告白。米国で設立した企業を通じて1980年代の核開発プロジェクトのための部品調達などに手を貸していたといい、「自分の国のためにやったことであり、誇りに思っている」と胸を張った。 同氏を巡っては、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」などの映画を制作していた1980年代ごろからスパイ関与説が取りざたされていたが、自ら公言したのは初めて。 同作品で主演した俳優のロバート・デニーロ氏もミルチャン氏と共に番組に出演し、同氏が経営するベンチャー企業に対して不信を抱いたものの、「確信は
オバマ政権がシリア攻撃を主張したとき、中東専門家のほとんどがそれに反対した。その理由はただ外国の軍事介入がケシカラン、というだけではない。国際的関心が軍事介入や化学兵器問題ばかりに集中して、本質的な問題の解決が却って遠のくからだ。 その懸念は、残念ながら当たっている。軍事攻撃を実施するにしてもしないにしても、とりあえず化学兵器問題には国際社会が対処した、というアリバイが作られただけで、本来の問題であるシリア内戦自体には、一向に解決の方策は見出されていない。 最も深刻なのは、嫌な形の宗派対立が確実に広がっていることである。11月19日、シリアの隣国、レバノンのイラン大使館が爆破された。アルカーイダ系とされるスンナ派武装組織のアブドゥッラー・アッザーム旅団が犯行声明を出し、レバノンのシーア派組織ヒズブッラーがシリアから手を引くように、イランに警告したのだ。 シリア内戦が混迷している原因に、アサ
【ジュネーブ=奥寺淳】ジュネーブで再開したイランと米英独仏中ロの6カ国の核協議で、米政府高官は20日、核協議の合意を目指す作業は「とても難しい」と、慎重な姿勢を示した。前回協議でフランスが反対したこともあり、合意に向けたハードルが上がっているとみられる。 米高官は、6カ国とイランのザリフ外相との会談後、再開した協議の雰囲気について「前向きだった」と記者団に語った。米政府は、10月から3回目となる今回の交渉で、イランが核開発の中断を受け入れる代わりに、制裁の一部を緩和する第1段階の合意を目指す考えだ。 一方、米高官は双方の違いを埋める作業は困難で複雑だと繰り返し、「交渉には時間がかかる。良い、正しい合意を目指す」と強調した。ケリー国務長官も18日、「交渉に特別な期待を持っていない」と語った。米連邦議会やイスラエルなどが制裁緩和に強硬に反対していることから、米側の譲歩が難しいことを示す発言とみ
(CNN) 米軍制服組トップのデンプシー統合参謀本部議長は21日までに、イスラエルが核開発阻止でイラン空爆などに踏み切った場合、米国はイスラエルに対し一定の範囲で責務の遂行を求められることになるとの見解を示した。 米紙ウォールストリート・ジャーナルがワシントンで開いた国際企業などの最高経営責任者(CEO)関連の会合で述べた。 イスラエルで有事が起きた場合、同国との了解事項などを踏まえ、イスラエルへ一定の支援を米国は迫られるとの立場を表明したもの。この責務を理由に、イスラエル側と常時の接触や協力関係を保っているとも述べた。 核問題に関する欧米6カ国とイランの協議での一定の進展が報じられる中で、米国の指導者がイスラエル防衛への関与を確認したのはデンプシー議長が初めてではない。 ヘーゲル米国防長官はCNNとの最近の会見で、米国はイスラエルの言い分に注意深く耳を傾けていると指摘。イランが核兵器開発
カナダのモントリオール大学教授(歴史学)で、『トーラーの名において』(平凡社)『イスラエルとは何か』(平凡社新書)などの著書で知られるヤコヴ・M・ラブキン氏が来日。ユダヤ教徒でありながら、パレスチナの地にユダヤ人の祖国建設を目指す「シオニズム」運動を批判するラブキン氏に、10月23日、岩上安身がインタビューした。通訳を務めたのは、東京理科大学教授の菅野賢治氏。 政治的イデオロギーとしての「シオニズム」 ラブキン氏は、シオニズムを、宗教上のイデオロギーではなく、19世紀末に非宗教化したユダヤ人によって生み出された政治的イデオロギーであると説明する。 「ユダヤ人は、伝統的ユダヤ教の教義から遠ざかりつつも、近代ヨーロッパで吹き荒れた反ユダヤ主義に対するフラストレーションから、ユダヤ人としてのアイデンティティを模索するようになりました。その延長線上で政治的に目指されたのが、イスラエル建国を志向する
■■■■■■ IWJには、ご寄付・カンパをいただいた方々より、たくさんの応援のメッセージが届いています。感謝を込めて、その一部をここにご紹介いたします。 ■■■■■■ どうぞ、お大事になさってください。今、少しですが、寄付しました。改憲阻止に向けて頑張ります。(みなとかおる 様) サポート会員HKです。僅かながら支援させていただきます。(HK 様) IWJさま 岩上さん、ポリープは見つからずで、なによりです。良かったです。岩上さん、スタッフみなさま、どうぞ、ご健康が守られますように。お身体お大事にお過ごしください。(藤田英之 様) いつもIWJからの配信に感謝しています。 主観を交えることなく事実と真実を伝える報道機関がほとんど消滅した今日、我が国においてはIWJだけが真実を知る頼りです。 IWJから届く記事やインタビューから,我が国にも、そして世界には,真実を語り報道する多くの人々が存在
シリア人権監視団(英国)は26日、国際テロ組織アルカイダ系の武装勢力「イラク・レバントのイスラム国」の戦闘員がシリア北部のカトリック教会を襲撃したと発表した。同勢力は最近、シリア北部で台頭し、反体制武装組織「自由シリア軍」などとも衝突を繰り返している。 監視団によると、戦闘員は25日、北部の主要都市ラッカの教会を襲撃し、内部の十字架や絵画、像に火を付けたほか、教会に同勢力の旗を掲げたという。 同勢力は、同じアルカイダ系の「ヌスラ戦線」と同様、イスラム国家の樹立を目指す過激派とされる。19日には自由シリア軍が支配していたアレッポ北方のアザーズを制圧するなど活動を活発化させている。 シリアの北部や東部の相当部分は昨年以降、反体制武装勢力が支配しているが、反体制派の組織間で戦闘が増えている。(共同)
このところの中東情勢を見ていると、90年代に逆戻りしたのではないか、とのデジャブ感に襲われる。 ムルスィー政権を倒したあとのエジプトでは、ムスリム同胞団の幹部、指導者の逮捕に続いて、NGOとしての同胞団の活動も禁止された。これは、「政治活動はダメだが社会慈善事業はOK」としてきたムバーラク政権時代よりも、イスラーム組織への締め付けが一層厳しくなっている。 シリア内戦では、案の定オバマ米大統領は振り上げた拳の落としどころに悩み、結局中途半端なままうやむやになった。米国がシリア情勢に手を出せないことが露呈された分、内戦はますます解決が遠のいている。前回のコラムで指摘したように、経済制裁下のイラクを持て余したクリントン政権の姿と、被る。 シリアはイラクの二の舞なだけではなく、アフガニスタンの二の舞化もたどっている。反政府勢力のなかにイスラーム武装勢力が大量に流れ込んでいることは自明で、かつてター
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