自民党の二階俊博幹事長は十日、政府が二十六日に召集される臨時国会への提出を検討する「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案について「慎重によく意見を聞いて、誤りなきようにしたい」と慎重に対応する考えを示した。法案提出には公明党幹部が難色を示しており、臨時国会への提出見送りが強まった。 (ハノイで、大野暢子) 二階氏は二〇二〇年の東京五輪・パラリンピックに触れ「あらゆる面で万全を期していくなら、法律の必要性もクローズアップされる」として、テロ対策を強化するには法案が必要だと指摘した。ただ「直ちにやって、今国会で決めなければならないかというと、まだまだ時間がある」と提出を急ぐ必要はないとした。 共謀罪は、犯罪を実行していなくても、複数の人が犯罪を行うことを話し合って合意(共謀)しただけで処罰可能となる罪。政府は共謀罪の名称を「テロ等組織犯罪準備罪」に変え、対象となる集団を絞り込むなど適