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ブックマーク / www.newsweekjapan.jp/hosaka (6)

  • 自衛隊「海外派遣」議論のきっかけはフェイクニュースだった

    2016年10月23日、陸上自衛隊朝霞訓練場で行われた自衛隊記念日観閲式に参加した稲田朋美防衛相 Kim Kyung-Hoon-REUTERS <自衛隊の南スーダンでのPKO活動をめぐって国会で議論が続いているが、そもそもの原因は、90年代の湾岸戦争時の日の貢献をめぐる「インチキ臭いロジック」にあったのではないか。日当に感謝されなかったのか?> 自衛隊の南スーダンにおけるPKO活動をめぐっては、「戦闘」という語のあるなしから「日報」のあるなし、はては日報に関する「報告」のあるなしまで稲田防衛相は文字どおり防戦一方で、7月27日にはとうとう辞任を表明した。自衛隊としても自分たちの務とは直接関係ないところで、活動が評価されてしまうのは意ではないだろう。 だが、自衛隊がこうした視点でばかり見られがちなのは、海外派遣のはじまった1990年代初頭の議論がそもそもの原因になっているような気

    自衛隊「海外派遣」議論のきっかけはフェイクニュースだった
  • 「開戦」は5月下旬 けっして突然ではなかったカタール断交

    <サウジアラビアやUAEなどがカタル(カタール)との外交関係を断絶したニュースは世界を驚かせたが、5月下旬からメディアでの戦いははじまっていた> 6月5日、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、バハレーン(バーレーン)、エジプトの4か国が突然、隣国カタル(カタール)との外交関係を断絶した(断交した国はその後さらに増え、現時点では8か国〔あるいは7.5か国?〕になっている)。今「突然」と書いたが、実はしばらく前から予兆はあり、その意味では今回の事件、けっして「突然」ではなかった。 わたしが異変に気づいたのは5月23日昼すぎごろだったと思う。わたしのiPhoneにはドバイを拠点とするサウジ資の衛星放送アラビーヤのアプリが入っているのだが、そのアプリからプッシュで速報が流れ、カタル国営通信(QNA)を引用し、カタルのタミーム首長がすごいこといってると伝えてきたのである。 内容は、国家元首

    「開戦」は5月下旬 けっして突然ではなかったカタール断交
  • ISのテロが5月27日からのラマダーン月に起きるかもしれない

    英マンチェスターの爆発事件の現場近くで警戒にあたる警察官(2017年5月23日) Andrew Yates-REUTERS <ラマダーン期間中には、毎年のように大規模なテロが発生している。今年もイスラーム国(IS)がテロを呼びかけ、日の外務省も注意喚起を出していた最中、英マンチェスターで爆発事件があった> ※犯行声明が出たため、内容を更新しました(2017年5月24日) カレンダーどおりだと、今年は5月27日がイスラーム暦第9月のラマダーン月開始の日にあたる。ラマダーン月は断月と呼ばれ、この月には、ムスリム(イスラーム教徒)は夜明けから日没まで太陽の出ているあいだ、一切の飲を絶たねばならないのはよく知られているだろう。 ラマダーンはイスラームの暦のなかで宗教的にきわめて重要な月ではあるが、イスラームの聖なる月だとする表現は誤解を招きやすい。イスラームでは「聖なる月(アシュフルルフルム

    ISのテロが5月27日からのラマダーン月に起きるかもしれない
  • イスラエルとサウジの接近で思い出す、日本大使館のスパイの話

    <イランという共通の敵ができ、天敵のはずの両国が歩み寄っている。だがイスラエルは長年、サウジアラビア関連情報をあまり重視していなかった> 米国の中東政策を形成するのに重要な役割を果たすのは当然、国務省の近東局というところで、責任者は通常近東担当次官補になる。このポジションは政治任用だが、実は4月25日現在きまっておらず、したがって、米国の中東政策の概要がみえてこない。 ティラーソン国務長官は、石油会社出身のくせに、失礼ながら中東のことを理解しているとは思えず、独自の中東政策を打ち出せるとは考えづらい。 たまたま在京米大使館員と話していたら、政治任用はかならずしも専門家である必要性はなく、政治的影響力(大統領との距離など)のほうが重要なことが多いといっていて、たしかにそのとおりなのだが、火薬庫みたいな中東に、火炎放射器をもって乗り込んでいくような人はやっぱりご遠慮いただきたい。 肝心要の近東

    イスラエルとサウジの接近で思い出す、日本大使館のスパイの話
  • イラクがこんな時期に「酒禁止法」可決の謎

    <北東部でイスラーム国(IS)からモスルを奪還する作戦が進行中のイラクで、アルコール飲料の輸入・製造・販売を禁止する法律が可決された。なぜ今? なんのために?> (写真は2010年、クルド人自治区のアルビルで酒を売る店) イラク国会は10月22日、あらゆる種類のアルコール飲料の輸入・製造・販売を禁止する条項を含む法律を可決した。違反した場合は1000万から2500万イラク・ディーナール(ID)の罰金だそうだ。日円では90万円から220万円とかなり大きな金額である。 このニュースをみた最初の感想は「イラクよ、おまえもか」だった。わたしは、ほとんどお酒は飲まないので、別にイラクでお酒を飲めなくなること自体を嘆いているわけではない。イラクのような、かつては世俗的な国の代表だったところまでが、わざわざ法律で禁酒を決めなければならないことを残念がっているのである。 【参考記事】よみがえった「サウジ

    イラクがこんな時期に「酒禁止法」可決の謎
  • テロを呼びかけるイスラームのニセ宗教権威

    イスラームの知識体系がデジタル化されたことで、サイバー空間上には、きちんとした宗教教育を受けていない者たちによる怪しげな宗教的言説が氾濫し、テロを使嗾している Mikko Lemola-iStock. 4、5年前のことになるであろうか。サウジアラビア某省の顧問をやっていた、大ベテランのイスラーム法学者と議論する機会があった。何の議論をしたかというと、旧約聖書に登場する最初の人類であるアダムの身長についてである。何でそんな議論をしなければならないのか、その経緯にまで立ち入ることはできないが、そのときは、それが重要なテーマなのであった。 イスラームの神学体系のなかでは、アダム(アラビア語ではアーダム)は最初の人類というだけでなく、最初の預言者(最後の預言者がムハンマド)でもあった。で、そのアダムの身長はいったいどれぐらいであったのか。イスラームの古典資料のなかでは、アダムの身長は60ジラーァだ

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