名古屋市立の中学校で2月、文部科学省前事務次官の前川喜平氏が授業の一環で講演したことをめぐり、文科省が市教委に対し、前川氏を呼んだ経緯や講演の内容を問い合わせ、録音データの提供を求めていたことが15日、わかった。文科省が個別の学校の授業内容について調べるのは異例。 前川氏は文科省の組織的な天下りの問題に関与したとして、昨年1月に辞任し、その後は学校法人「加計学園」の獣医学部新設などをめぐって「行政がゆがめられた」と発言している。文科省教育課程課によると、講演を報道で知った後、前川氏が辞任したことや「出会い系バー」の利用が報道されたことを伝えたうえで、経緯や講演内容を尋ね、録音の提供を求めるメールを市教委に送った。市教委から講演内容は伝えられたが、録音の提供はなかったという。 文科省は学習指導要領など、全国共通の教育基準を作っているが、個別の学校の授業内容について調査をするのは異例だ。文科省