二日投票のメキシコ大統領選は、与党の右派・国民行動党(PAN)フェリペ・カルデロン候補(元エネルギー相)が勝利を宣言したものの、中道左派・民主革命党(PRD)のロペス・オブラドール候補(前メキシコ市長)との差は0・58ポイント(約二十四万票)という大接戦でした。オブラドール陣営は不正疑惑があるとして選挙裁判所に異議申し立てをしています。その判断がどうなるにせよ、今回の選挙戦は、ラテンアメリカで強まる新自由主義反対の流れが米国の隣国メキシコにも急速に広がっていることを示しました。 (メキシコ市=松島良尚) 「騎手も馬も変えなければならない」。選挙戦でオブラドール氏がこう強調したのに対しカルデロン氏は「馬は変えてはならない」と主張しました。「馬」はフォックス現政権の政策、つまり新自由主義政策を指します。これが両候補の対立軸でした。 相手候補の中傷 カルデロン氏がかかげた公約は、メキシコのかかえ