スピリチュアル・フェミニズム(Spiritual feminism)とは、精神主義フェミニズムとも言われ、女性には月と呼応する神秘性があるとする考え方のことである。 フェミニズムの影響を受けてはいるが、社会思想というより宗教ないしオカルトの要素の強いものである。 その起源は1935年、ユング派の分析心理学者エスター・ハーディング(Mary Esther Harding)が著した『女性の神秘』であり、長らくその世界でバイブル視されてきたが、1984年にジーン・シノダ・ボーレン(Jean Shinoda Bolen)の『女はみんな女神』が刊行され、新たなバイブルとなった。だがさらにその起源を遡れば、19世紀末に思想史家バッハオーフェンが著した『母権論』(母権制)に遡る。バッハオーフェンは、古代世界では父権制ではなく母権制が支配していたと述べ、ギリシャ悲劇において、夫を殺したクリュタイムネストラ