【ヨハネスブルク高尾具成】6月開幕のサッカー・ワールドカップ(W杯)南アフリカ大会のヒョウをモチーフにした公式マスコットキャラクター「ザクミ」の関連商品が「地元の雇用を生まない」と南アで論議になっている。ザクミを含む関連商品の多くが中国で生産されているためで、地元労組は商品のボイコットも辞さない構えだ。背景には安価な中国製品の大量流入で地元産業が育たない事情があり、「貿易摩擦」がW杯に影を落としている。 中国製ザクミなどの購入や販売のボイコットを検討しているのは、南ア最大の労働団体「南ア労働組合会議」。南ア代表チーム「バファナ・バファナ」(愛称・ズールー語で「男の子たち」の意)の関連商品が中国製なのもやり玉に挙げ、「大会のシンボルが自国で生産されず、雇用創出の機会を失っている」と批判している。労組側は国際サッカー連盟(FIFA)やW杯実行委が、地元製品を優先する「倫理基準」を設けることも