【ニューヨーク=柳沢亨之】国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウオッチ」(本部・ニューヨーク)は24日に発表した今年の年次報告で、潘基文(パンギムン)国連事務総長について、中国などの人権侵害を「批判する気がない」と名指しで批判した。 国際人権団体が事務総長を公然と批判するのは異例。 報告は序文で、国際社会が近年、経済関係への配慮などから人権弾圧を見過ごしていると指摘し、潘事務総長の対応は「特に消極的」と評した。事務総長が昨年10月、ノーベル平和賞受賞の劉暁波氏釈放を要求せず、昨年11月の胡錦濤・中国国家主席との会談でも人権問題を取り上げなかったと明記した。これに対し国連副報道官は24日の記者会見で、「事務総長は人権擁護に最も効果的な方法を戦略的に判断している」と反論した。