圧倒的な資金力で、新興国や途上国でインフラ整備を進める中国。 しかしそれは、日本が得意としてきた分野だ。資金力の差はもはや埋めがたく、劣勢に立たされている。そんな中、政府は中国とインフラ整備の分野で「協力」の道を探り始めた。かつて実現したことがないこうした協力関係、本当に構築できるのか。 (政治部外務省担当 石井寧) 「異例のスピード」で関係改善 いま、日中関係の改善に向けた動きが急速に進んでいるのを、ご存じだろうか。 1月、河野外務大臣が中国訪問。 4月、8年間も途絶えていた「日中ハイレベル経済対話」が再開。 5月、李克強氏が中国首相としては8年ぶりに日本を公式訪問。 外務省幹部が、「異例のスピード」と語るほどだ。関係改善に合わせ、安全保障や社会保障、文化など、さまざまな分野で新たな協力の枠組みが作られた。特に両政府が注目しているのが経済関係だ。 その中身は、新興国などでのインフラの整備