この記事では、劉備の4人の正室のひとりで様々な「三国志」作品にもよく登場する、孫(そん)夫人について紹介したいと思う。 「男勝りで武装好き」史実の設定が、そのまま生かされる 映画『新解釈・三国志』では出番がなかったが、『レッドクリフ』や、ゲーム「真・三國無双」などの創作作品では「孫尚香」(そんしょうこう)という名の女性が活躍する。このひとは、れっきとした実在の人物だ。「赤壁(せきへき)の戦い」(208年)のあと、劉備に嫁いだ孫夫人(孫権の妹)がモデルとなっている。 孫尚香とは、後世に京劇で使われるようになった名前なのだが、女性らしく響きも良いからか、好んで使われる傾向にある。また彼女自身も「男勝りで武装好き」という歴史上での設定があるだけに、映画やゲームにも生かしやすい。女性がほとんど出てこない三国志の世界においては、創り手にとって有難い存在のようである。本項も「孫尚香」で進めたい。 歴史