上田市内の高齢者が学ぶ「市ことぶき大学」は9日、滝沢良忠さん(78)=大手=に大学院博士課程の学位記(修了証)を授与した。江戸後期から明治初期まで現在の同市第二中学校(大手)の位置にあった上田藩校「明倫堂」の歴史や教育内容について、A4用紙100枚余の論文にまとめた。同市教育委員会によると、授与は2002年度の大学院開設以来4人目で、文系では初めてという。 ことぶき大学は同市教委の運営で1985(昭和60)年度に開校。市内の60歳以上が希望する講座を選び、月1回ほど4年間学ぶ。大学院は、同大学や県シニア大学などを卒業すると入学でき、同市材木町の市中央公民館に月1回通い、市内の専門家から指導を受ける。2年間の修士課程の後、さらに研究を重ねて論文が合格すると、博士学位を受けられる。 滝沢さんは、第二中のPTA会長だった43歳の時、当時の校長から「わが校の伝統は『敬(つつしみ)』である」と聞