1年間かけて行われるリーグ戦の順位戦は、スポーツのリーグ戦日程のように、対局相手が始まる前にすべて発表されます。私の場合はそこで最終戦が藤井二冠と決まったわけです。対局が決まった当時、藤井二冠はタイトルを獲得する前でした。とはいえ、実力を伸ばしているのは明らかでしたし、超強敵ということで頑張らないといけない。ただその一方で非常に楽しみな思いでこの1年間過ごしてきました。 対局直前には対策・研究を非常に重ね、何十時間もかけて一生懸命臨んだ対局でした。対局結果は力及ばずでしたが――今回は藤井二冠との対局中の心理、そして藤井二冠の印象を、私の運営しているYouTubeチャンネルだけでなく、活字としても記録しておこうと思います。 序盤は割と想定した形で進んでいた まずは時系列に対局を振り返っていきましょう。今回、私は後手番でしたが――序盤は、わりと想定した形で進みました。 相掛かり(※お互いに飛車
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