ソ連に長く支配されてその残虐さや恐怖を体験し、EUとNATO加盟国でありながらもロシアの次のターゲットではないかと指摘されるバルト三国。 なかでもデジタル変革を遂げ、電子国家として知られるエストニアの首相カヤ・カラスが、ウクライナで見られるロシアの残虐行為は、かつてエストニアが経験したものだと、英誌に寄稿した。 ソ連、ロシアが犯してきた残虐行為 私がこの原稿を書いているのは、ウクライナの首都キーウ近郊にあるイルピンやブチャの惨状を見て、世界が目を覚ました頃だ。ロシア軍によって殺害された市民や集団墓地の写真を私たちは目にする。 これらの写真は、ソビエト政権とその秘密警察であった内務人民委員部(NKVD)による殺戮をエストニアの人々に思い起こさせる。その国家によるテロリズムマシンは、まったく同じように市民を殺害したのだ。 ロシアに送還する前に尋問をする浄化キャンプや強制送還について耳にすると、