能島事*1、此中海賊仕之由被聞召候、言語道断*2曲事、無是非次第候間成敗之儀、自此方*3雖可被仰付候、其方持分*4候間、急度可被申付候、但申分*5有之者、村上掃部*6早〻大坂へ罷上、可申上候*7、為其方成敗不成候者*8、被遣御人数*9可被申付候也、 九月八日*10(朱印) 小早川左衛門佐とのへ*11 (三、2295号) (書き下し文) 能島のこと、このうち海賊仕るのよし聞こし召され候、言語道断の曲事、是非なき次第に候あいだ成敗の儀、此方より仰せ付けらるべく候といえども、その方持ち分候あいだ、きっと申し付けらるべく候、ただし申し分これあらば、村上掃部早〻大坂へ罷り上り、申し上ぐべく候、その方として成敗ならずそうらわば、御人数を遣わされ申し付けらるべく候なり、 (大意) 能島の城を明け渡さずいまだ海賊行為を行っていると聞いている。許しがたい暴挙であり、成敗の軍勢を当方より差し向けようと考えたが