以前こういう記事を書いた。 japanesehistorybasedonarchives.hatenablog.com 以前の記事の具体例を偶然見つけたので、ふたたび論じることにする。 mainichi.jp 何の御役にも立つませず世を去りました 御主人様の御情けで私共親子三人何(ど)うに 厚く*1/\(あつくあつく)御礼申上げます皆様にも この書翰は昭和8年(1933)に書かれたもので「ごちそうさん」の時代と同じである。 ヒロインの娘を「ふ久」と名付けたことに、以前違和感を覚えたことを記したが、その根拠のひとつにこの書翰を加えたい。 ひらがな「く」は以下の通り、さまざまなバリエーションがある。 変体仮名を調べる 変体仮名 五十音順一覧1 ひらがなの「く」は「久」の草書であり、宛字などではない。奇をてらわず「ふく」とした方が日本語的には正確だった。ヒロインの名前「め以子」もまた同様である。