一①、其方儀、此方ヘ越候ヘト申者、右一書懇ニ可申付ト思召被召寄候得トモ、道〻用心*1以下無心許被思召、又此方ヘ越候ハ、日数可行*2候、下〻之者モ草臥*3候ヘハ如何候間、無用*4之事、 一②、毛利右馬頭*5・小早川左衛門佐*6・吉川治部大*7輔両三人ハ、人数二三千ニテ此方へ可*8被越候、惣人数*9造作ニ候間*10、無用之事、并黒田勘解由ハ馬乗*11四五騎ニテ、右馬頭可為同道事、 (書き下し文) 一①、そのほう儀、こちらへ越しそうらえと申すは、右一書懇ろに申し付くべきと思し召し召し寄せられそうらえども、道〻用心以下心許なく思し召めされ、またこちらヘ越しそうらわば、日数行くべく候、下〻の者も草臥れそうらえば如何に候あいだ、無用のこと、 一②、毛利右馬頭・小早川左衛門佐・吉川治部少輔両三人は、人数二三千にてこちらへ越さるべく候、惣人数造作に候あいだ、無用のこと、ならびに黒田勘解由は馬乗り四五騎にて