歌声の声の高さ(F0軌跡)を相平面上に描いたら? 歌唱様式を分析するためのF0軌跡の新しい表現方法の提案 大石 康智, 後藤 真孝, 伊藤 克亘, 武田 一哉 歌声のF0軌跡に含まれる様々な動的変動成分 図1は、ある楽曲のメロディとそれを歌詞付きで歌唱したときの歌声の声の高さ(音高、F0軌跡)を図示した例である。 F0軌跡には、滑らかに変化しながら目標音高に到達するポルタメントや目標音高より大きく振れてしまうオーバーシュート、音高が安定するときに振動するビブラートなどの「F0動的変動成分」が観測される。 これらのF0動的変動成分の動きは多様であり、歌声知覚や歌唱者の個人性知覚に影響を与えることが、先行研究により明らかにされている。 鼻歌検索の性能向上や表情豊かな歌声合成を実現させるためには、歌唱者ごとのこのような動的変動成分を精確に特徴づけるよう、F0軌跡をモデル化する必要があると考