カオス的なエネルギーの塊、太陽は、約11年周期で黒点の数が増減している。だが、その理由はいまだ明らかにされていない。この太陽物理学最古にして最大の謎に、新たな計算手法で「王手」をかけた研究者がいる。「400年の謎」の正体とは──! (聞き手:池谷瑠絵 特記外の写真:河野俊之 「サイエンスリポート」より転載) 1610年、ガリレオが自ら作った望遠鏡で黒点の観察を始めて以来、少なくとも400余年にわたって人類は太陽を観察してきたが、これらのデータからわかるのは、「太陽の変動には明らかにパターンがある」ということだ。 ガリレオ自身も、自らが記した克明な黒点の記録から太陽の自転運動を推論したが、およそ27日で一回転する自転のほかに、太陽活動が活発と不活発を繰り返す、約11年の周期が知られている。 太陽緯度を縦軸に、時間を横軸にとって黒点の出現をグラフに表すと、約11年ごとに、ちょうど蝶のような形を