俺は通勤に地下鉄を使っていて、毎日同じ車両に乗っている。 そして、毎日同じ文章を読んでいる。 地下鉄のドアのガラスに貼ってある広告の文章だ。 かれこれ2ヶ月以上は同じ文章を読んでいる。 その文章は俺に対する挑発だと思っている。 俺は、現在28歳、今年の誕生日で29歳になる。 自分の本当にやりたいことを、「やっていない」自信がある。 自分自身の力を信じる気持ちと、社会からズレたダメ人間だと思う気持ちの両方を持っている。 以下にその広告を全文引用する。 仕事はうまくいっていた。それでもやりたいことがあった。辞表を書いたのが28歳。 サラリーマン時代にためた100万円を手に、家に独りこもって曲作りに没頭した。 自分は天才だと信じる心と、もしかしたらダメかもしれないという心の間で揺れた。 それでも曲を書き続けたのは、自分には音楽しかなかったから。 30歳でデビュー。業界の常識で