あまりに事実と懸け離れた記述だ。検定で合格すること自体にわかに信じ難く、憤りさえ覚える。 文部科学省が来年春から主に高校1年生が使う教科書の検定結果を公表したが、帝国書院の「現代社会」は「県内の経済が基地に依存している度合いはきわめて高い」と記述していた。事実誤認も甚だしい。不勉強な執筆者に執筆の資格はない。 沖縄の基地関連収入が県経済に占める割合は復帰直後の1972年は15・5%だったが、その比重は大きく低下し直近(2012年度)では5・4%にすぎない。 そうした説明は官民のあらゆるレベルで繰り返されてきた。基地は経済発展の大きな阻害要因であることはもはや常識だ。一部インターネットなどにはまだ「沖縄は基地で飯を食っている」といった虚言が流布するが、その類が教科書にもあったとは驚くしかない。 冒頭の記述の前には「日本政府も、事実上は基地の存続とひきかえに、ばくだいな振興資金を沖縄県に支出し