はじめに 東京電力福島第一原発事故以降、国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告が、日本はもとより国際的な放射線防護規制の基盤になっていることが広く知られるようになりました。 その放射線防護の考え方は、1928年の最初の勧告以来、科学的知識と防護技術の進歩、また社会の動向を踏まえて変遷してきています。それも一因となって、ICRPの最近の考え方は、必ずしも皆さまに正しく理解されていないようです。そこで今回は、原発事故収束への対応が重要な課題となっている今、一層の理解を深める必要性があるこのテーマについて解説いたします。 「放射線防護の最適化」とは ICRPが2007年に出した勧告で特に重視しているのが、「防護の最適化」という考え方です。「これ以上放射線量が低ければ、確率的影響(がんや遺伝的影響)のリスクがない」という「しきい値」は存在せず、「どれだけ線量が低くてもその線量に応じたリスクが存在す
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