平成13年度国民医療費は31兆3243億円であり、前年度の30兆3583億円に比べ9651億円,3.2%の増加であり,国民医療費の国民所得に対する割合は8.46%(前年度7.98%)となった.こうした医療費は社会的に大きな負担となっている.そうした中で,効率的な医療のあり方が模索され,根拠に基づく医療(evidence based medicine, EBM)あるいは実践(evidence based practice, EBP)が提唱されている.精神疾患に関して言えば,平成13年度では一般医療費の中で「精神および行動の障害」による医療費は全体の7.0%を占めており,とりわけ入院医療費に関しては11.3%となっており,精神保健分野においても医療経済を考慮した対策が求められている.(略)また,うつ病に関しては,英国では国民健康サービスからの年間直接費用が8億8千万ポンドであり,これが糖尿病や