島根県松江市。この都市名を聞いて、縁結びの神として知られる近隣の出雲大社や、シジミ産地で名高い宍道湖は連想しても、最先端のIT(情報技術)やインターネットを思い浮かべる人は多くはないだろう。 しかし、今年11月下旬、松江市中心地の県民施設で開かれた毎年恒例のカンファレンスには、県内外から2日間で延べ約900人のソフトウエア開発者が集結した。 参加者の所属企業には、米AT&Tやレシピサイト運営のクックパッド、クラウド大手の米セールスフォース・ドットコムなどそうそうたる顔ぶれがそろう。海外からも、今やエンジニアなら知らぬ者はいない世界的な開発者向けソーシャルサービス、米ギットハブの共同創業者兼CEO(最高経営責任者)が基調講演のため駆けつけた。 一見、今をときめくネット企業とは縁遠く思われがちな松江に、大勢のソフト開発者を呼び寄せる“磁力”となったのが、市内の企業に在籍するまつもとゆきひろ氏が