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ブックマーク / lullymiura.hatenadiary.jp (14)

  • 内閣改造を読む - 山猫日記

    1にも2にも党内力学 内閣改造と自民党の党役員人事が出揃いました。メディアは、改造の目的を云々し、内閣にニックネームをつけ、いつもどおり大騒ぎをしています。改造後の世論調査で内閣支持率がどこまで回復するかはなお見通せませんが、話題を変える効果はあったように思います。 私の印象はというと、安倍総理は、憲法改正も、総裁三選もまったく諦めていない。引き続き、長期政権に意欲満々であるということです。今般の改造は、政策的に何をしたいかという要素は一切なく、1にも2にも党内力学を意識した政治的な戦術と理解すべきと思っています。私は、政界人間模様的な話はあまり好きではないのですが、今回ばかりは、その手の話が質のようです。 内閣支持率の低下を受け、安倍政権があたかも崩壊前夜のような印象を振りまいているメディアや識者がいますが、日政治のルールをわかっていないのでしょうか。あるいは、安倍政権への批判を繰り

    内閣改造を読む - 山猫日記
  • 改憲運動に欠けているもの - 山猫日記

    改憲を政治日程に乗せたことを評価 5月3日は、日国憲法施行から70年の節目。そんな日に、安倍総理から改憲に向けたビデオメッセージが発せられました。ポイントは二つ。憲法改正を具体的な政治日程に乗せるとの立場を明確にしたこと。そして、その改憲の眼目に9条を据えたことです。いずれの点も、時代が求める方向性であると思っています。 安倍政権に改憲する気があるのかについては、論壇でも見方が分かれていました。私自身は、保守政権として国民の支持を得ながら、改憲に手を付けないとすれば、いったい何のための格政権か、思っていたところでした。正直、少々懐疑的だったことは否定できませんから、安倍総理の姿勢を評価したいと思います。 2020年までに憲法を改正し、施行までもっていくとすれば、今後2年程度の間に改憲案を練り上げ、国会で発議し、国民投票までもっていく必要があります。改憲までの流れを決めるのは、今後1年程

    改憲運動に欠けているもの - 山猫日記
  • 日米首脳会談の総括 - 山猫日記

    満額回答 第一回の公式な日米首脳会談が終了し、安倍総理が帰国しました。トランプ政権については、選挙戦のさ中には様々な問題発言がありましたし、予測可能性の極めて低い政権であるだけに、まずは一安心というところでしょう。日米同盟に対する当座のリスクが取り除かれたというだけでも、喜ばしいことです。 トランプ大統領は、安保については、間接的な表現ながら尖閣諸島への日米安保の適用を明言し、南シナ海の航行の自由や北朝鮮問題が米国にとっても優先課題であると述べました。在日米軍駐留の負担増をめぐる発言は行われず、在日米軍を受け入れてくれている日国民に感謝の言葉を述べるというリップサービスまでついてきました。 経済については、懸念されていた自動車産業をめぐる暴言もなく、為替操作国認定をされるような場面もありませんでした。現時点で期待し得るものとしては、満額回答であったと言えるでしょう。週末に出演した報道番組

    日米首脳会談の総括 - 山猫日記
  • トランプ大統領就任✔ - 山猫日記

    合法的な革命 トランプ氏が米国の第45代大統領に就任しました。立場の差を超えて「歴史」が我々の前で展開しているという感覚を持った方も多かったでしょう。選挙を通じた合法的な革命であるという言葉がしっくりくる一日だったように思います。8年前、若者に熱狂的に支持され、多様性を象徴する大統領が就任したのが、合法的な革命であったのと同様に、米国が大きく変わろうとしています。 就任演説について、全体的な印象はシンプルであったこと。そして、闘いの演説であったということです。黒人初の大統領として就任したオバマ大統領には、自身の当選そのものに大きな象徴性があり、その象徴性を格調高く表現することに力点が置かれました。対するトランプ大統領は、闘いに突入しようとする部隊を鼓舞する部隊長のような演説という印象を持ちました。簡単な言葉が選ばれ、仕事をするための演説であったと。 ケネディー大統領の就任演説のように、名演

    トランプ大統領就任✔ - 山猫日記
  • 総理の真珠湾訪問-「必要悪」を脱することができるか - 山猫日記

    象徴の日 安倍総理がハワイの真珠湾を訪問しました。この訪問は事前からメディアに宣伝され、史上初であるかどうかも含めて(実際には4人目)、様々に喧伝された和解の総仕上げの演出ではありました。こうした政治化された訪問で劇的な成果として評価を受けるのは通常難しいのですが、今朝の総理演説を聞いてみると、これまでの「必要悪」としての日米同盟から脱却しようとした歴史的なものであったと思います。 今朝、風の強く吹く真珠湾で語られたのは、戦没者への慰霊と、寛容に基づく日米の和解の力でした。まず戦艦アリゾナに乗り組んでいた普通の若者たちの運命とその家族の悲嘆に思いを寄せ、そして日の軍人のために碑を立てた米軍の寛容を自国民に向かって語りかける。日米の和解が総力戦を戦った者同士の勝者の寛容に基づく和解であるがゆえに特別であることを強調する。 オバマ大統領は、総理の演説と呼応するアメリカのストーリーを語りました

    総理の真珠湾訪問-「必要悪」を脱することができるか - 山猫日記
  • 「トランプ大統領」誕生 - 山猫日記

    時代の転換点 トランプ大統領が誕生しました。ほとんどのメディアも、識者も、クリントン氏有利を予想していたこともあり、歴史的な事件であるとの論調が世界中を駆け巡りました。米国大統領が持っている権力と、時代の雰囲気を作り出す能力は今なお絶大ですから、我々が時代の一つの転換点に立っていることは間違いありません。それは、かつてニクソン大統領がニクソンショックを通じて国際経済のあり方や冷戦構造に風穴をあけ、レーガン大統領が資主義を再定義して冷戦を終わらせたことに匹敵する新たな時代が始まろうとしているのだろうと思います。 世界中の専門家が選挙戦の予想をしていたのに、ここまで大きな読み違えがあったのは、いくつかの要因が重なったからです。第一は、北部の民主党支持と思われていた州における人口動態や投票率を読み間違えたこと。第二は、世論調査が人々の音を反映していなかったこと。そして、最大の第三は、偏見にと

    「トランプ大統領」誕生 - 山猫日記
  • 民進党代表選と蓮舫新代表 - 山猫日記

    政治の異常状態は続く 日政治は異常な状態が続いています。2012年末に自民党が政権に復帰して以降、自民一強、安倍官邸一強が続き、日政治から政権交代の緊張感が消えているのです。国民の多くにとっては、もはや、当たり前の感覚になりつつあるかもしれませんが、小選挙区制を基軸とする選挙制度を持つ民主国家において、まったく政権交代の緊張感がないというのは異常である、という認識を持つことが必要です。安倍政権には、近年の政権にはなかったある種の老練さや安定感がありますが、この異常さの原因の大半は野党の体たらくに負っています。 その流れを反転させるきっかけが、野党第一党である民進党の代表選挙でした。蓮舫氏の代表選出により、少なくとも岡田民進党よりは、攻勢を強めるのではないかと思います。蓮舫氏のコミュニケーション能力や、「キリッ」とした主張には見るべきものがあると思います。複雑な背景や経緯のある問題を単純

    民進党代表選と蓮舫新代表 - 山猫日記
  • 今上陛下のご意思表明を受けて - 山猫日記

    今上陛下のお気持ちの表明動画が8月8日午後3時に発表されました。NHKは列島各地、ことに被災地や最近行幸があった地域や施設などの人々がTVで聴き入る風景を流していました。暑い夏のこと、71年前の緊張を思い起こしたかつての少年少女もおられたでしょう。 NHKが譲位のご意思をスクープしてから、メディアが憶測で語るしかない様子見の期間というものがありました。今日のメッセージはその不安や疑いを晴れさせるに十分な、はっきりとしたものだったと思っています。 考えてみれば、日ごろから重責をか弱いお二人の身に負わせ、人権に重大な制限を課しておきながら、われわれの日頃の生活では、報道が通り過ぎるときにちょっと手を休めてTV画面をちらっと振り返るだけのような、他人事感があったのではないでしょうか。 「天皇」という概念が我々から遠い御簾の向こうの事柄であるという感覚は、人間宣言を行った昭和の時代から平成に移って

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  • 参議院選挙総括―誰が負けたのか? - 山猫日記

    勝ったのは与党 参議院選挙が終わりました。自公で過半数を大きく上回る143議席を確保し、いわゆる改憲勢力で2/3の162議席を確保しました。公明党を改憲勢力と形容するのが適切かどうかはともかく、憲法審査会が動かされ、改憲が具体的な政治日程に上ってくることになるでしょう。政権は、アベノミクスが信任されたと高らかに宣言しているし、勝ったのは明らかに与党です。 ところが、野党からもそれほどの悲壮感は伝わってきません。客観的には惨敗なのですが、一人区では野党共闘の効果もあって野党の11勝22敗と、少なくとも3年前よりは善戦しました。被災地3県と沖縄で勝利したことに一定の大義を主張する者もあり、敗戦をきっかけとした自浄作用さえ期待できない状況です。 負けたのは誰かというのが重要な問いです。結論めいたことを言うとすると、負けたのは、日が進んでいく方向性に変化を望んでいる層です。選挙戦が盛り上がらない

    参議院選挙総括―誰が負けたのか? - 山猫日記
  • バングラデシュの人質殺害事件を受けて - 山猫日記

    沈黙に抗うために バングラデシュでテロ事件が発生し、20人の人質が犠牲となりました。うち7人は日人の援助関係者でした。事件発生から時間が経つにつれて、人質殺害をめぐる凄惨な状況が明らかになってきました。報道によれば、犯人達は人質にコーランの暗唱を迫り、異教徒と見做した者たちを刃物で殺していったといいます。犠牲となった7人の同胞は、途上国の発展に使命感を持っていたことでしょう。犠牲者のご家族のご心痛を思うと言葉もありません。 私は、このような事件が起きるたびに、言葉というものの空疎さを思わずにはいられません。何を言っても、書いても、そこには正義も癒しもありません。そして、我々に沈黙を迫る事件があまりにも多すぎやしないか、と。沈黙と同時に徒労感が募り、すべての現実をシャットアウトしてしまいたくなってしまいます。 それでも、意味合いを見出し、進むべき進路を探らなければいけません。それは、ペンを

    バングラデシュの人質殺害事件を受けて - 山猫日記
  • 「トランプ大統領」の世界―語られた孤立と平和 - 山猫日記

    初の格的な政策演説 アメリカ大統領選挙における共和党の予備選が事実上終わりました。焦点となっていたインディアナ州の予備選でトランプ氏が圧勝し、クルーズ、ケーシック両候補は選挙戦から離脱、トランプ氏が共和党の指名を得るのはほぼ確実な情勢となったのです。民主党側のヒラリー氏有利と並び、選の構図はトランプ対ヒラリーということになります。夏に行われる党大会や選に向けてまだまだ話題を提供してくれそうですが、日は、4月27日に行われたトランプの初の格的な政策演説について考えたいと思います。 同演説についての日での受け止め方は、ゴールデンウィーク直前ということもあって、初めてプロンプターを使ったとか、日を含む同盟国の負担増が求められたとか、表面的な分析に終始しているきらいがあります。しかし、「トランプ大統領」が実現すればもちろんのこと、仮にしなかったとしても、米国と世界の未来にとってとても

    「トランプ大統領」の世界―語られた孤立と平和 - 山猫日記
  • トランプ現象解題(2)ー意気揚々と撤退する米国 - 山猫日記

    笑えない課題 米大統領選の共和党予備選においてトランプ氏の快進撃が続いています。山場と言われた予備選を次々に制し、代議員レースにおいても他候補を大きく引き離しています。トランプ氏と共に、茶会党系のクルーズ上院議員と、穏健派のケーシック知事が予備選を継続していますから、まだ確定とまではいきませんが、トランプ氏の優勢はゆるぎないものになりつつあります。米メディアにおいて発せられる問いも、トランプ氏を止めるにはどうすればいいかというものから、トランプ氏が選の候補者となり、大統領になることの意味は何かというものへと変わって来ています。 米大統領が国際社会に与える影響は絶大ですから、日を含む世界中の外交官や研究者が、「トランプ大統領」が意味するところについて考え始めています。これにはちょっとしたブラック・ユーモアを感じずにはいられません。反エリート主義を原動力とし、大衆の暴力的な能に訴えること

    トランプ現象解題(2)ー意気揚々と撤退する米国 - 山猫日記
  • トランプ現象解題ースーパーチューズデー決戦前夜 - 山猫日記

    決戦前夜 米国大統領選は決戦を迎えようとしています。これまで、民主・共和両党の候補者を決めるために4つの州で予備選挙が行われました。民主党はヒラリー・クリントン候補、共和党はドナルド・トランプ候補がそれぞれ3勝しています。現地時間の3月1日(火)は、これまでで最大の13州において投票が行われるスーパー・チューズデーです。大いに盛り上がってきた大統領選も前半最大の山場を迎えます。成り行きによっては両党の候補者が決定的となる可能性があります。 トランプ氏については日のメディアでも大きな関心をもって報じられてきました。ところが、トランプ現象に対する理解は表面的なものに留まっています。同氏の傍若無人な振る舞いや暴言の数々が取り上げられることはあっても、有識者のほとんどは「困ったものです」というのみでした。ポピュリズムや排外主義という言葉をあてがって批判することはあっても、その質と向き合おうとす

    トランプ現象解題ースーパーチューズデー決戦前夜 - 山猫日記
  • 慰安婦問題の日韓政府合意を受けて - 山猫日記

    老練な外交成果 日韓が慰安婦問題について合意に至りました。先の首脳会談で、「年内解決」がぶち上げられて以来、日韓合意が近づいている旨のリークが続いていましたから、まったく意外であるというわけではありません。私自身は双方の国内政治上、受け入れ可能な合意に至るのは難しいのではないかと懐疑的でしたので、「当にやるのか」というのが率直な印象でした。その上で、今般の合意については老練な外交成果として評価したいと思います。 合意の骨子は、まず日政府が慰安婦問題について「軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた」ことを認め、「心からおわびと反省の気持ちを表明」することにあります。ここでのポイントは「軍の関与」という幅のある表現を使っていることでしょう。韓国からすれば日軍による国策として強制性を認めさせたと主張できますし、日は軍主導による強制連行までは踏み込まずに、慰安所の運営に軍が関

    慰安婦問題の日韓政府合意を受けて - 山猫日記
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