人間がヘビに敏感に反応するのは経験ではなく、本能的なものである可能性が高いことを、名古屋大の川合伸幸准教授らのグループが、サルを使った実験で解明し、米科学誌「ジャーナル・オブ・コンパラティブ・サイコロジー」(電子版)に19日発表した。 人間は多くの動物の中でもヘビに対して特殊な反応をすることが、これまで実験などで明らかにされている。川合准教授らは、これがサルにも共通する現象かどうかを、一度もヘビを見たことのないニホンザル3頭を使って実験した。 9枚の写真の中から1枚だけ違う写真をサルに選ばせて、スピードを比較。その結果、花の写真8枚の中にあるヘビの写真1枚を選ばせた場合は平均1・16秒かかったが、ヘビの写真を8枚にして花の写真を選ばせると1・89秒かかり、ヘビを認識するスピードの方が速かった。 川合准教授は「高い木の上で暮らすサルにとって、ヘビは最大の天敵。このためヘビを素早く察知する視覚