「全部うつのせいにしちゃえ!」――死にたくなる衝動をそう乗り切れと説いた前回。いざ職場復帰した時の心構えは? 職場のみんなはどう接すべき? 今後の生き方は――? 最終回は尽きない疑問符を、可能なかぎり解き明かそう。 「都合の悪いことは全部うつのせいにしちゃえ!」――自殺願望が増す回復期のやり過ごし方を、ツレさんがそう説いた前回。いざ職場復帰した時の心構えは? 職場ではどう受け入れるべき? そして闘病後はどう生きていけばいいのだろうか――。 「あきらめてラクに【治療開始編】」「できなくて当たり前【治療中期編】」そして「死にたくなったら『病気のせい』【回復期編】」と連載してきた「『ツレうつ』的闘病のコツ」もいよいよ最終回。今回も『ツレうつ』著者の細川貂々(ほそかわ・てんてん)さんと、彼女に支えられてうつを乗り越えた夫のツレさんに指南してもらおう。 『その後のツレがうつになりまして。』(幻冬舎刊
「できなくて当たり前」の精神で、妻の細川さんが、うつになる前のようには立ち回れない自分のツレ(夫)を辛抱強く見守った前回。そのかいありツレさんは次第に快方に向かうが……。 前回「できなくて当たり前【治療中期編】」では、妻でマンガ家の細川貂々(ほそかわ・てんてん)さんが、うつになる前のようには上手に立ち回れない自分のツレ(夫)を辛抱強く見守る。そんな中、ツレさんのうつは次第に治っていくが……。 闘病中、ツレさんはよく「死にたくなった」という。そんなとき細川さんや、ツレさん自身はそれぞれどう向き合ったのか。 ■患者に自信を――周りの人は患者に口添え 良くなったり悪くなったりを振り子のように繰り返す闘病生活では、「特に薬が効いて具合が良くなってくる時期が最も危ない」と、細川さんは指摘する。「危ない」というのは、この時期に「死にたい」とツレさんが口にする回数が増えていたからだ。 薬が効いているとい
うつになるビジネスパーソンが急増しています。 2008年4月、財団法人労務行政研究所が発表した「企業におけるメンタルヘルスの実態と対策」によると、最近3年間でメンタルヘルス不調者が増加した企業は55.2%と、過半数を超えています。また、メンタルヘルス不調で1カ月以上休職している社員がいる企業は62.7%と、3年前の前回調査(50.9%)よりかなり高まっています。 現代のビジネスパーソンは、過酷な長時間労働や成果主義の導入、格差社会の広がりなど、多くのストレスにさらされています。 このような背景がある今、うつは誰もがなりうる病気です。うつにならないためには、自分自身が、自分の体調や心の状態に敏感になり「セルフケアすること」が大切――。このコラムの著書、奥田弘美さんはそう語ります。 奥田さんは精神科医として、今まで多くの人をカウンセリングし、治療してきました。その経験を基にして、精神科・内科の
メンタルヘルス(心の健康)関連のサポートサービスを提供しているピースマインド(東京・中央区)は2008年5月20日、『SEのためのうつ回避マニュアル 壊れていくSE』(翔泳社)を発刊した。産業カウンセラーの資格を持つ荻原国啓社長は「メンタルヘルスの改善は生産性向上につながる。経営者には重要な経営課題としてとらえてほしい」と忠告する。 IT(情報技術)産業や一般企業のシステム部門では、うつにかかる社員が多いのでしょうか。 荻原:これまでたくさんの企業に対し、心の病の予防や早期発見などのためのEAP(Employee Assistant Program=従業員支援プログラム)サービスを提供してきました。また、全国でカウンセリングルームを展開しているので個人のお客様の悩みもうかがっています。そうした中でとりわけIT、通信の分野でメンタルヘルス不全が顕在化していると感じています。SE(システムエン
「そりゃまあ、うつかもしれないけど、今、会社を休んで病院に行けるわけがないよ」 出版社に勤める知人のAさん(38歳)は、ぼそっとつぶやいた。 いつでも忙しそうなAさん。メールが届くのはたいてい真夜中だし、週末も仕事をしているらしく、よく勤務先からファクスが送られてくる。あきらかに睡眠不足らしく、会うとたいてい目が真っ赤だ。 最近では、何をするにもおっくうで、気持ちがふさぎ、ときどきわけもなく悲しくなってくるという。とくに午前中はだるさがひどく、這うようにして会社には出てくるものの、ほとんどゾンビと化しているそうだ。 「なんでも、2週間以上そういう状態が続いていると、うつの可能性が高いんでしょう? 病院に行かなきゃいけないんだろうけど、今、仕事を休めるわけがないしね。うちは小さな会社だし、人手が足りないから」 10人中9人が 「受診しない」という現実 うつらしき症状が2週間以上続
西川敦子(フリーライター) 【第30回】 2008年06月06日 就職氷河期のツケ? 「ロスジェネうつ」に悩む30代 ~ 専門家は語る 精神科医・名越康文氏【前編】 ~ 2007年に放映された人気ドラマ「ハケンの品格」は、当時おおいに話題になった。 主人公は、篠原涼子演ずる大前春子。きわめて有能だが、徹底した一匹狼で、会社の飲み会に参加するどころか、携帯電話の番号すら誰にも教えない。いつも無口でニコりともしない春子はクールともいえるが、メンタルヘルス面は少しばかり心配だ。 春子は1973年生まれ。つまり、今年35歳だ。1995年に大学を卒業した彼女は、就職氷河期に遭遇している。難関をくぐりぬけて最初に就職したのは、信託銀行。ところが経営統合でリストラの憂き目に遭い、その後勤めた会社でも、突然解雇されてしまう――。 就職難、リストラ、成果主義。大人になったとたん、まるで石つぶてのよう
前回の【治療中期編】では、妻でマンガ家の細川貂々(ほそかわ・てんてん)さんが、うつになる前のようには上手に立ち回れない自分のツレ(夫)を辛抱強く見守る。そんな中、ツレさんのうつは次第に治っていくが……。 闘病中、ツレさんはよく「死にたくなった」という。そんなとき細川さんや、ツレさん自身はそれぞれどう向き合ったのか。 患者に自信を――周りの人は患者に口添え 良くなったり悪くなったりを振り子のように繰り返す闘病生活では、「特に薬が効いて具合が良くなってくる時期が最も危ない」と、細川さんは指摘する。「危ない」というのは、この時期に「死にたい」とツレさんが口にする回数が増えていたからだ。 薬が効いているということは体調が良いはず。それにもかかわらず、なぜ精神状態は「死にたくなる」ほど悪くなるのか。「薬が効いて体調がよくなると、アレもやりたいコレもしたいって(ツレさんが)言い出すんです」と、細川さん
「あきらめてラクに治そうとしても、最初は『よし、頑張ってあきらめよう』と力が入ってしまい、ラクにできなかった」と、ツレさんは弱音を吐く。細川さんも、そんなツレさんのことを「もともとうまく気を抜くことができないみたいなんですよ」と続ける。 発病前のツレさんは、「落ち込むことなんてなかった」という。逆に細川さんの方が落ち込みやすかった。細川さんがグチをこぼすたび、ツレさんは「グチ言う暇があったら行動したら?」とたしなめていた。ツレさんはまた、曜日ごとにネクタイの柄や入浴剤の種類、弁当に入れるチーズの種類などを決めており、その通りに実践しないと気が済まない性分だった。 「形からでいいからダラダラしてごらん」。ツレさんは寝たきりだった治療開始3カ月たったころから、起きてこられるようになった。そんなある日、細川さんはツレさんに提案した。「お昼ごはんが終わると、『お茶の時間まで昼寝しなさい』と言われま
うつで夫婦の社会的役割は一変する。マンガがヒットした細川さんはマンガ家としてブレイク。治療に専念するため、外資系IT会社を退職したツレさんは、大黒柱の妻を内助の功で支える「スーパー主夫」(『ツレうつ』より)になった。 ツレさんがうつと診断されたのは2004年初め。あれから4年が過ぎた。闘病前に比べ、妻は「夫を気遣うように」、夫は「(妻に)頼れる部分は頼るように」なり、2人の絆はいっそう深まったという。当時ツレさんは、なぜ発症したのだろう。 本人は「体調不良」でも、周りが見て疑わしきは説得して病院へ 「まさか自分がうつになるなんて……。いまだに原因は分かりません」と、ツレさんは言う。発病前のツレさんは、「やる気があればできるはず」という信条を持つ「スーパーサラリーマン」(『ツレうつ。』より)。「常に次の目標を立てて実践。達成したら次の目標を立てて突き進む性分」だった。人員削減の一途をたどる職
先週のトップ10では酒席のマナーほか、4月の総務特集「ビジネスマナー」から3記事がランクイン。新しい人間関係を築く上で、マナーへの関心の高さが垣間見えた。 続く5月の同特集では「うつ」をフィーチャーしている。これに伴い特集担当である筆者は、うつ本人や本人に近い場所にいるさまざまな人たちにお話しを伺ったり、関連本を読みあさる日々だ。その中から京都は高台寺の岡林院・月真院の寺前浄因住職の話を紹介しよう。 うつは病。座禅やセラピーでダメなら専門医へ 住職は「座禅でうつが軽減される人もいる。そういう人は座禅を続けてください」と話す。しかし自らも半年間うつに苦しんだり、周囲のお坊さんがうつ自殺を図るのを目の当たりにしてきた実経験から、続いて以下のようにアドバイスする。 「座禅を続けても軽減されないときは、すぐに座禅をやめてください。自分の判断で続けていると悪化します。座禅に限らず何かのセラピーを試し
~ 専門家は語る(MDAジャパン理事 山口律子氏)【後編】 ~ A係長はもやもやとした気分を抱えている。半年間うつで休職していた部下、Bくんが先月、職場に復帰したのだが、再び会社に来なくなってしまったのだ。 これはまったく予想外の展開だった。なぜなら事前の面談では、同席した主治医が「お元気になられましたよ」と太鼓判を押してくれたからだ。それでは、と以前のように仕事を任せたところ、いっこうに作業がはかどらない様子。おまけに大きなミスも続出した。そうこうするうちに、「すみませんが、調子が悪いのでまたしばらく休ませていただきます」というBくんからの電話が入ったのだ。 A係長の立場はますます苦しいものになった。部下のひとり、C子さんからは、「これ以上、Bくんの代わりはできません!私がうつになりそうです!」と責められ、課長からは「君がプレッシャーをかけたんじゃないの?」と白い目で見られ――。いま
復職支援プログラムのすべて NTT東日本関東病院 秋山 剛先生 「職場復帰援助プログラム」メディカルケア虎ノ門 五十嵐良雄先生 「リワーク・カレッジ」NPO法人MDA(うつ・気分障害協会) 山口律子先生 「就労プログラム」 詳細実験 復職成功体験談 体験談A◎46歳・男性(大手企業・営業事務)/体験談B◎42歳・女性(宝飾品製造会社・製造管理)/体験談C◎30代・男性(教員)/体験談D◎30代・男性(食品会社・研究職)/体験談E◎43歳・男性(IT関連企業・SE) 使用料0円 全国48カ所で通える 地域障害者職業センター「リワーク支援」 自宅で実践「一人デイケア」メニュー&コツ 五十嵐良雄先生監修 困ったときは社会の手を借りる ケース別相談窓口 公的支援フル活用 お金の負担の減らし方 【ルポ(1)】 30代に急増中 働き盛りのうつ
新着コメント 臨床医に必要なのは統括能力である しぎ (09.30 09:32) Paul Carpenter (08.28 09:25) 医者はウソつきであるべき しぎ (09.30 02:42) 踏みとどまることの大切さ 山本 由美子 (09.29 23:49) 山本 (09.05 20:45) 海外S級ブランド品激安卸販売店【alise518】 (08.30 19:07) 海外S級ブランド品激安卸販売店【alise518】 (08.30 19:03) AAA級 ヴィトン、シャネル、グッチ、高級腕時計 (08.30 19:01) 人の行動を一生懸命と想像できない人間は好かん to (09.09 00:59) 親を責めてはいけない gouk (08.27 20:18) 実家で親父と飲んでいて、びっくり。「うつの人間って望みが高すぎるんだな」とかいう。僕が1
本書は、豊富な臨床経験をもつ精神科医が、自らのうつ病体験を克明に書き下ろしたきわめて珍しく貴重な記録である。うつ病患者さんの苦しみを十分に理解していたはずだが、いざ自分自身が病気になると、苦しみはその理解をはるかに超えたものだった。著者は、この苦しいうつ病の闇からいかにして回復したのか。 だそうで、(出版社は星和書店ですが)専門書というよりはエッセイ的な感じっぽいです。 で、何が変わってるかというと。 16頁にわたるマーク・ソープ氏の美しい海の写真もすばらしい。前半部分が日本語で、後半部分がその英語訳となっている。 ってなわけで、裏表紙は英語版になってます。 以下目次。 少し長いまえがき この本を手にとられた方へ 1. 三万五千フィート上空での回想 2. きっかけ 3. 抗うつ薬 4. 生活上の支障 5. 精神科受診 6. 身体の病気? 7. うつ病の認識 8. 気持ちの沈み 9. 悲観
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