REDDY 多様性の経済学 Research on Economy, Disability and DiversitY ジェンダーとセクシュアリティの交差点から 第 1 回 シールとジェンダー 私の研究テーマは「ジェンダー/セクシュアリティの社会史」です。昨年著した『〈男性同性愛者〉の社会史』という本では、同性愛というセクシュアリティのテーマと、男性の経済的・社会的な特権というジェンダーのテーマとを交差させながら、歴史を描くことを意識しました。 私自身も男性同性愛の当事者なのですが、ジェンダー/セクシュアリティ研究に関心を持った直接のきっかけは、「同性愛者である」ことから来る自分自身の被差別体験ではありません。むしろ自分が男性として「得をしている側」であること、それまで無自覚に特権を得ていた(そして、現在も得ている)側であると気づいたことが、大きな転機でした。一度気づくと、自分が履かせても
なぜ女性は「昇進」できないのか。 川崎市職員の佐藤直子さん(50)は長年、自治体職員として働きながら感じてきたモヤモヤの正体を解明しようと、自治体の女性職員のキャリア形成などについて大学院で研究に取り組んでいます。女性は昇進したがらない? 女性管理職が就く部署は決まっている? 現状の背景には何があるのか、変えていくことはできるのか、話を聞きました。(小林由比、北條香子) 佐藤直子(さとう・なおこ) 川崎市こども未来局青少年支援室子どもの権利担当課長。1998年入庁後、児童館での青少年健全育成業務、公務災害・通勤災害事務、区役所での市民協働まちづくり業務、総合計画などの庁内調整事務、市長への手紙、コールセンターなどの公聴担当、幼児教育担当などを担当してきた。自身を含めた女性職員のキャリアパスに関心を持ち、2018年から研究を開始。22年4月から埼玉大経済経営系大学院博士後期課程。専攻は労働経
日本の出生数が急減し、2022年は初めて80万人を下回る見通しとなっています。加速する少子化を食い止めようと国も地方も対策に取り組んでいますが、中には「ズレた少子化対策」をする自治体も少なくないと、人口問題リサーチャーのニッセイ基礎研究所の天野馨南子さんは指摘します。そんな地元に見切りをつけているのは、20代の女性たち。何が起きているのでしょうか。 50年間で子どもが7割減 ーー2022年の出生数が統計史上最低となりそうで、小倉将信こども政策担当相は「強い危機感」を表明しました。天野さんは、地方自治体の少子化対策に「ズレ」があるとレポートで指摘しています。どういうことなのでしょう。 複数の自治体で少子化対策のアドバイスをしてきましたが、間違った対策をしているところが少なくありません。お風呂の巨大な栓を閉めないまま、ひたすら細いシャワーの水を入れ続けて「人が増えない増えない」と言っている。地
昨今の芸能界、映画界の性被害を聞いて感じている事は、元々芸能界はこういう側面がずっと存在していて、ようやく変革の時期を迎えているんだとポジティブに捉えています。 この業界に入ってから自分に起きたハラスメントは、以前自分のインスタグラムなどでもお伝えしてきましたが、それ以外にも男性監督から言葉のセクハラにあたるような事や、指導されている中で嫌な思いをした事は数え切れないぐらいあります。相手はもしかすると無意識に言っていたのかもしれませんが、私の中ではずっと無念の気持ちが残っています。 それ以外にも芸能界の知人や役者の方から現場で嫌な思いをした話を聞く事があります。 今、名前があがっている園子温監督のお話も以前からよく耳にしており、いろんな役者さんの方が実際に警戒をしていました。 私も以前、作品のオファーがあった際には、友人の役者さんから園氏はそういう噂があるから気をつけた方が良いと言われた事
セクハラ・性暴力被害を言語化することはむずかしい。ましてや、それが「よきことをなす人」たちの組織内で起きたときの場合は、さらに複雑な事態となる。そもそも、セクハラ・性暴力はなぜおきるのか。「よきことをなす」ことが、なぜときに加害につながるのか。被害を言語化するのにどうして長い時間が必要になるのか。セクハラ・性暴力をめぐる加害・被害対立の二極化を越え、真に当事者をサポートするための考察。 まずはそれを進歩と呼ぶこととして この文章を書いている今(10月22日)、日本全国で信じられないほど急速にコロナ陽性者数が減少している。二桁にまで感染者数が減った理由はいったいなぜなのか?それに対する医療側からの満足な回答は得られていない。誰でも考えつくような常識の範囲を超える内容ではなく、昨年(2020年)の3月以降、日本の医療への信頼感が崩れる思いをしたのは私だけではないだろう。自然科学や医学がどれほど
「女性が入ると会議が長くなる」などと発言して東京オリンピック・パラリンピック組織委員会会長を辞任した森喜朗会長。この女性蔑視発言は国際的にも問題視され、日本のジェンダーギャップがいまだに大きいことが改めて白日の下にさらされた。世界経済フォーラムのジェンダーギャップ指数2020 で、日本は121位であるという事実も再認識された。こうした社会風土が、女性の理系進学に影響をしている可能性を示唆したグループがある。 横山教授が取り組んだのは、なぜ日本では数学や物理学の女子が少ないのかという問題だ。日本では理学部や工学部、中でも数学や物理学といった分野の女性比率が極めて低い。女子学生の理系進学の障害になっているものは何なのか。 ジェンダー研究をスタートさせた理由 科学技術社会論の研究者である横山教授は、学生時代はスーパーカミオカンデを使ったニュートリノ実験のメンバーだった。もともと科学ジャーナリスト
職場にはさまざまな仕事があるが、なかには、どれだけ成果を上げても評価につながらない、「雑用」に近い仕事もある。筆者らの研究によると、そうした仕事は多くの場合、女性が主に処理しているという事実が判明した。こうした現状は、雑用を引き受けた本人にとってはもちろん、企業にも重大な不利益をもたらしている。 職場で、こんな場面によく遭遇しないだろうか。 会議中、マネジャーがあるプロジェクトの話を持ち出し、担当者を決める必要があると言う。特に難しくないが時間がかかり、収益の向上には貢献しそうになく、おそらく業績評価の対象にもならない仕事だ。 マネジャーがプロジェクトの説明をして、引き受けてくれる人はいないかと聞くと、あなたも同僚も黙り込み、気まずい空気が漂う。誰かが手を挙げてくれないものかと願っているのだ。時間が経つにつれ、空気はますます重くなっていく。誰かがついに口を開いた。「わかりました。私がやりま
ハフポスト日本版ニュースエディター。 公衆衛生、ジェンダー、調査報道が関心領域。masako.kinkozan@huffpost.com
先に告知記事で書いた通り、勤務先の駒澤大学グローバル・メディア・スタディーズ学部の2017年度「実践メディアビジネス講座I」において、シリーズ講義「メディア・コンテンツとジェンダー」を行うことになった。 以下は初回のイントロダクションで私が話したことの一部について、ややこしくなる等の理由で省いた部分を補足したものだ。特に目新しい主張でもないと思うし、今後ゲスト講師の方々のお話を聞くうちに変わるかもしれないが、今考えていることをできるだけ手短に(といっても割と長い)。 メディアやコンテンツの領域に限らず、ジェンダー問題は議論が難しい。うかつに何か言えばあっという間にわらわらと人が集まってきて、寄ってたかって吊し上げられ、あらん限りの罵声を浴びせられる。アカデミックな人々からの「お前はこんなことも知らないのか」的なマウンティングから一般の人たちによる「何この人」的な人格攻撃まで何でもありだ。
四本さんは東大の教養学部がある駒場キャンパスの准教授なので、大学に入ってほやほやの1年生の講義を受け持つことがある。その時のエピソードをもって、まず想像してほしい。 「駒場の1年生の心理学の講義で、最初にやるんですよ。血液型性格判断がいかに正しくないか、科学的じゃないか。でも、結構な数の子があれでショックを受けちゃうんですよね。今まで信じてましたって。でも、サイエンスとしての心理学の講義をとる以上、そこのところはちゃんとしてほしいです。血液型性格判断は、もう100パーセント非科学的なんですけど、ただ、血液型性格判断を信じてしまう人の心理っていうのは、おもしろい研究対象ではありますね」 血液型性格判断については、もう信奉する人が度を越していて、ぼくもうんざりなので、四本さんのこの姿勢には大いに共感する。それが「正しくない」「科学的じゃない」理由については、本稿のカバーする範囲ではないと思うの
『GQ JAPAN』ウェブ版でもっとも長い連載が、銀座ホステスの藤島佑雪によるお悩み相談「ちょっと言ってみ?」。その藤島が、日テレのアナウンサーに就職が決まっていた女性が内定を取り消された問題について緊急寄稿! 文: 藤島佑雪 日本テレビにアナウンサー枠で就職が決まっていた女性が、銀座でホステスをしていたことを理由に内定を取り消されてしまった件。多くの著名、無名の方が寄稿されたり、SNSで意見を述べられたりで、話題が拡散しています。いくつか拝読させていただきましたが、ホステスとして銀座に在籍する身としては違和感を感じるものも多く、僭越ながらこのたび、是非に! とGQ編集部に頼み込み、緊急寄稿させていただきました。 まずは実際にうちのクラブであったこんなお話から。 某テレビ局のそこそこ役職のある方のお席に、わたくしがヘルプとしてついていたときのことです。いつものメンバーで和気あいあい。なんの
今年の3月、埼玉県富士見市のマンションの一室で2歳の男の子が亡くなっているのが発見された、いわゆる「ベビーシッター事件」。子育ての当事者にとって、あの事件は未だ記憶に新しいだろう。当時、わが子を失った母親に対し「見ず知らずの人に子どもを預けるなんて」という批判が挙がった。果たして、あの事件を対岸の火事とやり過ごしていいのだろうか。 大勢の取材陣に囲まれ、わが子を亡くしたにもかかわらず、振り絞るような声で世間に謝罪していた母親の姿。20年以上保育の問題を取材してきたジャーナリストの猪熊弘子さんは、彼女の手がとても荒れていたことに注目。そしてこの事件の背後には、預ける側・預かる側の双方に「貧困」の問題があると指摘し、「この事件には今の日本で子育てをする人が抱えている問題がすべて凝縮されている」と振り返る。 17年前と何も変わっていない育児の現状 「17年前と何も変わっていない」 これが、ベビー
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