世界屈指の眼鏡産地である福井県鯖江市。多くて200にも及ぶ眼鏡づくりの各工程を専門とする工場や職人たちの分業によって栄えてきました。この地で2006年に自社一貫生産をはじめた金子眼鏡は、最先端のロボットを導入し、工程の8割を占めていた人の手による研磨作業に革命を起こしました。その目的は、手仕事をなくすことではなく、むしろ逆。伝統的な職人の技術を支えるためだというのです。 【後編はこちら】「私たちは眼鏡をつくっている」 シンプルな言葉の真意とは。金子眼鏡が、磨きに込める美意識 日本製眼鏡フレームの約96%を生産している産地の中心、福井県鯖江市。1905(明治38)年、農閑期の副業として始まったという鯖江の眼鏡づくりの歴史を象徴するかのように、黄金色に輝く稲穂に囲まれた約3500平方メートルの敷地に、その工場はありました。 福井県鯖江市にある金子眼鏡の自社工場「BASEMENT(ベースメント)