どんなに個性的な表現でも、どんなに超絶技巧の作品でも、どんなに斬新な切り口でも、自分が作ったものが、歴史という縦軸、同時代性での横軸の上で、どこに位置しているかというポジショニング感覚がないと、一発芸で消費されるか、セルフコピーの繰り返しで生き延びることになっていまう。 いつでも創造的な姿勢を貫きとおすためには、それぞれの表現分野の歴史はもちろん、関連するさまざまな分野の歴史を学び、同時代の作品を知り、同時代の言説に耳を傾けて、批評的思考を習得し、感覚的でも直観的でもいいから、ポジショニングを身につける必要がある。 自分の作ったものがどういうポジションに立つのかを考えることは、社会の中での作品の存在意義、マーケットの中で位置、会社のビジネスの中での意味などを考えることといえる。つまりポジショニングはブランディングに非常に近い。組織や商品群が「何をなすかものか」を明快に整理して、外部にも内部