あたくしは、 小学校四年生の時、すこぶるに頭が悪かった。 成績は、ゲボ吐くくらい悪かったのだろう。 担任の先生が、家庭訪問の時に 本当に褒める所がなかったのだろう。 「明るい。元気、明るい。いい子!」 その話題だけで1時間、しのいでみせた。 母親はそれを察知して、 「このままでは息子はとんでもないバカになる」 と思い、僕を本屋に連れて行った。 そして、なにか教養にいい本がないかと探していた。 母親と2人で漫画コーナーを見ていた。 母親が困るのが、僕が漫画しか読まなかったことだ。 そもそも文字がそんな好きじゃなくて、長い文章とかはご勘弁派だった。 長々と書かれた文章より、 「晴れ!」 「曇り!」 「雨!」 くらい、スパッとわかりやすい、 絵柄がパッと見でわかる漫画のが、絶対いい。 とにかく文字を読むのが、面倒くさかった。 そして、その日 母親が見つけたのが「世界の偉人伝」の本で、 僕が見つけ