裁判員裁判は、8月の「第1号」から今月24日までに11地裁で計13件が行われた。罪の適用を争った1件を除き争点は量刑だったが、判決は「求刑の8がけ」と指摘されてきた裁判官だけによる裁判に比べ、事件の背景や当事者の事情で重めか、軽めに振れる傾向が見られた。法廷でも一般の人ならではの発言が目立ち、市民感覚が刑事裁判に変化をもたらしている状況が浮き彫りになった。【まとめ・銭場裕司、北村和巳】 【写真特集】課題も浮き彫りに…初の裁判員裁判をグラフで振り返る ◇「予想より重い」 和歌山の強盗殺人事件や青森の強盗強姦(ごうかん)事件の判決は、求刑通りだった。和歌山判決は裁判員の質問を踏まえ「現場に遺体があるのに被告は隣の自宅で生活していた」と悪質性を指摘し、青森判決は厳罰を求めた被害者の意見陳述を基に「女性の人格を無視した」と批判した。 裁判官や検察からは「予想より重い」との声が漏れる。これま