もっと前に出ていた本だろうと思った。1980年代の本だろうなと。違った。1997年の本だった。舛添さんがこれを執筆していたのは1996年。48歳のころ。ああ、それでも今の僕より若いのか。 彼がメディアでばりばりと活躍して、今に残る罵言を吐いていたのもそのころ。東大の先生をしていたころ。まだ30代だったわけだ。栗本慎一郎さんもまだ40代だった、あの頃。 舛添さんが東大をやめたのが1989年。桝添政治経済研究所を設立。この話はこの本の「はじめに」に書いてある。 そのまま勤めていれば、国家公務員として給料は保証され、生活は安泰。ましてや、東大の駒場と言えば内容はともかくとして、入学試験の難易度だけからみても全国一の難関としてしられる大学。 やめたのは、本人談によると、大学への失望だったらしい。 だが、それゆえにこそ、大学改革の必要性を強く感じたのだ。「日本の大学はこのままではいけない」と思った。