14日投開票の衆院選は、認知症や知的障害などで成年後見人が付いた人(被後見人)の選挙権が回復後、初の総選挙となる。各地の選挙管理委員会は投票所でのサポート態勢を強化しているが、判断能力が低下した人は周囲の誘導で投票先を左右される恐れがあり、対応には難しさもつきまとう。選管が指定する老人ホームや病院などの不在者投票所でも、投票意思の確認に手間取るケースがあり、「公正な選挙」の実現に苦慮している。 13・6万人の選挙権回復 「候補者が分かりません」「書き方が分かりません」「字が書けません」。堺市堺区の期日前投票所には、イラスト入りの質問ボードが設置されている。 堺市は今回の衆院選で、8つの質問項目とイラストを組み合わせた「コミュニケーションボード」を期日前を含む全141カ所の投票所に初めて導入。会話がうまくできない認知症や知的障害を持つ人に、投票時の疑問点をボード内の質問項目から選んで指さして